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【読書メモ】 『地方創生大全』

読んだ。『地方創生大全』

・地方活性化策としていまだに「効果のないばらまき」がもてはやされている。その多くは初期投資を回収できないばかりか、運営にも税金が使われる赤字経営ばかり。

・地方創生は「事業」であるべき。民間主導・行政参加で、補助金は活用せず自ら稼ぐ。地方での事業評価は自治体と民間(第三セクター含む)の連結決算で評価されるべき。

・経済効果の数字の根拠は怪しい。何かが伸びれば何かが減るトレードオフと、何かが伸びても供給のボトルネックにより青天井ではないという、2つの問題がある。

【ネタ】 

・特産品開発が生産者・加工者・公務員が中心となった「協議者会議」を中心に行われ、肝心の消費地の販売者や消費者がほとんどが関わっていない構造問題がある。

・特産品開発に必要なのは予算ではなく「営業」。まずは自分たちの売り方や作り方に変化を産み出すことで、付加価値を向上させる。

・今の地域に必要なのは、一部の人たちに熱烈に支持される突出したコンテンツを用意すること。人材や環境変化に適合した、「内発的な資源」に基づいた絞り込みが必要。

・成功のポイント
①初期投資が交付金・補助金頼りでない
②中核事業で売上を立て、黒字決算になっている
③当初から5年以上継続的に成果を出している
④トップが数字について語っている
⑤現地で一日定点観測をして、変化を感じる

【モノ】
 
・道の駅などは行政が中心となって最初に立派な施設を建設するのに、経営上売上のハードルは低くなっている。それが民間の受身の姿勢を生み、利益体質を構築できない。地方活性化に必要なのは「知恵」と「積小為大」。

・周辺エリアの価値も引き上げるような公共財を目指したマネジメントにより、エリア全体の不動産価値が上がる契機を作る。

【ヒト】

・「地方」と「自治体」は別のもの。少子化問題や自治体の経営問題は、「人口問題」とは直接関係はない。人口は増えても減っても問題になる。経済・産業政策で新たな財を稼ぐとともに、人口に左右されない生産力を確保すること。

・一見さん相手のビジネスモデルではなく、リピーターを獲得するための施策が必要。「地元利用+観光利用」で、その場所に行くための明確な目的を作る。

【カネ】
 
・地方創生に必要なのは、お金そのものではなく「お金を生みだすエンジン」。民間が立ち上がって市場と正面から向き合い、利益と向き合って取り組む。

・二宮金次郎に学ぶ。地域の収支を黒字にし、地域のカネを集めて再生事業に投資する。

【ソシキ】

・撤退要件は絶対に定めなければならない。地域での事業は常に挑戦と失敗の繰り返しをどれだけできるかにかかっている。

・共有情報バイアス・確証バイアス・集団浅慮を避け、集団意思決定よりも行動する一人の覚悟を決める損地するべき。

・戦略や計画が対症療法にしかなっていない・達成しても無意味な目標達成設定がひとり歩き・根本を疑わずカイゼンばかり行う。このような間違いを犯さないためには、論理的・定量的な議論を定義的に行うこと、また一貫性よりも柔軟性を重視することが効果的である。

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