大人になって、時々思い出すこと
何かのきっかけで、ふと幼い頃の記憶を思い出すことがある。
わたしの場合、小説を読んでいるときが多いかもしれない。
大人びてきた頃、本を読むことは格好良くないことだと思っていたことがある。スポーツができて、お洒落で、メイクが上手で。そんな女の子に憧れて、多感な時期を通った人はきっと私だけではないんだろうな。
本を読むことが改めて面白いと思えるようになったのは、社会人になってから。大学生のときも読んでいたけど、表面的な面白さにばかり惹かれてた気がする。
本との思い出は小学生の頃に通っていた、まつお文庫。子どもたちが自由に本を読めように、教師だった女性が個人宅を解放して、地域の片隅にちいさな図書館を開いてくれていた。いまも同じ場所にあるみたいだ。まつおさんは元気かな。
いつから通い始めたのか記憶はない。それでも、ピーターラビットの挿絵が可愛くて、本を借りてたっけな。そんな単純な理由だって、本を読む立派な動機だ。
そんな幼い頃の曖昧な記憶はいつのまにか薄れてしまうけど、本を読むたびにぼんやりと輪郭が見えてきて、あったかい思い出が蘇ってくるのは本を読み続ける理由になっている気がする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?