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Photo by
kochibi
熱々のおうどん
うどんをゆでるためのお湯を沸かしながら大根をおろした。
硬い大根をおろすのに手間取っているうちにお湯は大きな泡を立てて沸騰してしまった。
慌ててうどんを入れる。
生のうどんはお湯の中で透明感を増しながらゆで上っていく。
菜箸でゆっくりとかき混ぜながらまだおろしきれていない大根が気になってどうしても見てしまう。
生姜は先に半片くらい先にすりおろしてあるからもういいとして、大根は?
もう少しすりおろさないと足りないと思う。
茹で上ったうどんを笊に空けて鍋をさっと洗って水を入れ、もう一度湯を沸かし、うどんのつゆを作った。
笊に上げたうどんを器に移したらさっきおろした生姜と大根おろしをのせて刻んだ葱もこんもりとその上に置いて熱いつゆをさっとかけてすぐに食べた。
とにかく温かいうちに息を吹きかけながらさっと食べた。
からだの内側から汗が。
頬がほんのりと染まっていく。
指先が温もっていくのを感じる。
トクトクと温かい脈を打つ音がかすかに耳元に届く。
思いのほか冷えていたからだを生姜と葱と大根おろしをたっぷりとのせた熱いうどんは温めて満たしてくれた。
深い息が吐きだされ、かじかんでいたからだから余分な力が抜けていく。
ソファにからだを預けて目を閉じた。
トクトクとからだの中で巡り続けているものが止まらずにいてくれる。
からだは心から温もってうっすらと汗をかいて緩んでいく。
今夜はきっとよく眠ることができるはず。
多分きっと。
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![竹原なつ美](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/87771317/profile_685d1cdce10eb5d32ab128e89494689c.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)