春風のような声 優しい心
3,4年前のある日、朝起きる寸前に夢ともうつつともわからないのですが、
「〇〇ちゃん、」っていう、わたしの名前を呼ぶ優しい女の人の声で目覚めました。
その時一緒に暮らしていたのは子どもと主人。
そういう声を出す人は家族にはいませんでした。
(誰だろう?)
考えてみたけれど、すぐに思い当たる人はいませんでした。
少しして主人の父方のおばさんがその頃亡くなったことを知りました。
とても優しくて心の温かい方で親戚の中でわたしが一番慕っていた方でした。
とても悲しかったのですが、ご高齢だったこともあり仕方がないと思うしかありませんでした。
そうしてそれから少しして、ハッとしました。
あの声はそのおばさんのものだったのではないか?と思ったのです。
なぜそう思ったのかというと、そのおばさんが亡くなるちょっと前に子どもが中学を卒業したのですが、その時主人の実家から、主人のお父さんに運転させて子どもを東北の主人の実家に連れて行きたい、というような申し入れがあったのです。
けれどもその時お父さんは、からだの調子がとても悪くて辛そうで、場合によっては命に触るのではないか?と感じたので、人づてにやんわりとお断りさせていただいて、お父さんがその無理をしなくてもよくなった直後だったことを思い出したのです。
亡くなったおばさんは主人のお父さんのことをずっと心配していました。
そのことでおばさんからわたしに意見をされたことも何回もありました。
けれどもそれには他の事情が絡みついていた事なので簡単にはいかなくて、二人ともどうすることもできずに困ったまま議論は何も生まないで時間だけが過ぎていくという感じでどうすることもできませんでした。
つらかったです。
主人のお父さんが無理なことをして子どもを迎えに来なくてもいいように、わたしが尽力したことをよろこんでくれて、おばさんが「ありがとう」ってわたしに言いに来てくれたんだと感じられたので、ちょっとだけ嬉しかったです。
そう思うことにはなんの根拠もなかったけれど、そういうふうに感じたのです。
人は死んでしまっても、いいえ、死んでしまったからこそ、その人の心というものは正直にまっ直ぐに心をかけていた人のところに行って助けることができる。
これまでに死に別れてきた人たちが守ってくれているから自分でもなんとか生きていられるんだ、今までのいろんな経験を通してわたしはそう思うようになりました。
死んでしまってからだがなくなった後も人の心は存在していて残された人のことを思い続けている。
大切に思っていた人たちを助けるためにがんばっている。
そういうふうに思うのです。
だからその人たちに感謝して手を合わせるということは大切なことだと思いますし、そういうことをないがしろにしてはいけないとも思います。
そうして今周りのいろんな人たちに対してもできる限り誠実であるべきだと思います。
思いがけない人との出会いも、誰かや何かと縁ができるということも、自分を守ってくれている人たちに導かれてそうなっているのではないかというようにも思っています。
自分が子どもを持って、親という立場になってから、更に深くそういうことを考えるようになりました。
どんな人に対しても、その人を傷つけたり、利用したり、苦しめたりするようなことをしてはいけません。
その時だけいいように見えても、思えても、誰かを傷つけたことはどこかで必ず何かの形で自分自身に戻ってきます。
それが病気なのか、事故なのか、仕事での失敗か、子どもや家族の不幸なのか、どんな不運と言われるような出来事なのかは分かりません。
でも必ず、戻ってくると思うのです。
だから慢心して誰かを苦しめることは、自分を自分で傷つけて苦しめてしまうことにつながるような気がして恐ろしいと思ってしまうのです。
それは生まれ変わってもついてくる、自分が誰かを苦しめたりいじめたりしたことから返ってくる悪いものやことは消えないと思います。必ず何かの形で自分のところに戻ってくると思います。
だからその、自分がしてしまったよくないことから来る不運は、その時々に受け入れて終わらせておいた方がいいのではないか?と思うのです。
その時に終わらせてしまえばそれ以上のことは起こらないのではないかと思うからです。
怖ろしいのは自分に都合よくごまかしてしまって、よくないものをそのままにして片付けないで済ませてしまうことのような気がします。
それは決して消えないでどこまでもついてきます。
影のようにくっついて、そのままでは消えてはくれないです。
だからできる限りよくないものを作らないように、そしてもし自分が作ってしまったら少しでも小さいうちに片づけてしまった方がいいです。
それは必ず何かの形でいつか必ず戻ってくると思うからです。
今回この記事を書くためにおばさんのことを思い出すことができて、もう一度いろんなことを振り返ってみることができて本当によかったと思っています。
拝啓あんこぼーろさん、ありがとうございました_(._.)_
こちらの企画に参加させていただきました。
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