プレゼント。
「ほい!」
「え?」
艶やかなホワイトの紙袋を渡された。
なんだろう?
中身をそっと覗いて見ると、水色の包装紙でくるまれて銀色のリボンがかけられた四角い箱が入っていた。
「開けてみて」
「うん」
紙袋の中の包みを取り出して開いてみるとそこにはクリスマスコフレに箱が。
欲しかったやつだ。
「ありがとう」
「ちょっと早いけど、クリスマスプレゼント」
「嬉しい」
「クリスマス、空けておいてね」
「うん」
「美味しいもの食べに行こう。そうして大きなツリーの下で写真を撮ろう」
「写真?」
「そう」
「何故?」
「大切な記念日にしたいからさ」
「ふぅん」
「そのために、ちゃんとカメラも買ったんだ」
「え?」
「なんて嘘。スマートフォン。夜とか外でうまく撮れるかな?』
「どうだろう?」
「多分大丈夫だよね」
「そうだよね」
そんなことで話しながら、私はその時どんな服を着て行くのかを考えていた。
あの白いコートがいいかもしれない。ボタンは金色の縁がついている。
長い髪は結い上げて首に温かいスヌードを巻いて手袋の色も揃えて。
外を吹く風は冷たいけれど、心はとても温かい。
私はクリスマスのことを思い浮かべて頬が熱くなっていくのを感じていた。
クリスマス。
どんな風に迎えることができるのか。
美しいものになればいい。
心からそう思った。
ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。