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「間(ま)の力でつなぐ心 〜沈黙と気遣いから始める未来への対話〜」現代社会における「間」の喪失

   いつからでしょうか。私たちは沈黙を避け、余白を埋めることに慣れてしまいました。気まずい静けさを埋めるためにスマートフォンを取り出したり、会話においてもすぐに返答することが求められたり。「間」が持つ豊かさを忘れてしまったように感じることはありませんか?

  現代社会では、効率やスピードが最優先される場面が増えています。SNSでのやりとりはその典型です。メッセージを送れば、すぐに返事が返ってくるのが当たり前。タイムラインには絶え間なく情報が流れ、少しでも遅れると「置いていかれる」と感じる人もいるでしょう。この「即時性」の文化が広がる中で、私たちは沈黙や余白に不安を感じるようになりました。

  しかし、こうした即時性の背後には、他者を深く理解するための「間」が欠けています。感情的な衝突が起きる場面では、少しの「間」があれば冷静になれたかもしれません。相手の言葉を待つ間に、意図や感情をより深く考えられたかもしれません。しかし、私たちはその余裕を失い、速さの中でつながりを希薄にしているのです。

  また、職場や学校などでも、「間」が軽視される場面が見受けられます。すぐに結論を出すことが求められ、じっくりと考える時間が与えられない。結果として、表面的な解決に終始し、問題の本質に触れることができなくなることもあります。

  「間」を失うと、私たちは自然と独りよがりになりがちです。相手の話を「待つ」ことや、自分の考えを「深める」時間を持たないと、本当の意味での対話や共感は生まれません。これが、現代社会の分断を深めている一因ではないでしょうか。

 では、この「間」をどうすれば取り戻せるのでしょうか。私たちの生活に「間」を取り戻すことで、もっと豊かな対話やつながりを生み出せるのではないでしょうか。この問いに対する答えを、次の節で具体的に探っていきます。

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TANOTIN
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