TANOMUという会社のおはなし(後編)
この記事は、Chefyの事業撤退からTANOMU(タノム)というサービスにピボットするまでの軌跡を綴った記事です。後編では現在の事業であるTANOMUについて、お伝えしていきます。前編をまだ読んでいない方はこちらから。
TANOMUという会社のおはなし(前編)
「TANOMU」ってどんなサービス?
TANOMUは、"卸業者と飲食店の日々の受発注をスマホでカンタンに"をコンセプトにしたBtoB SaaSです。
野菜や鮮魚、乾物など業務用食品を扱う卸業者さんがカンタンにスマホで販売サイトを作成し、飲食店からの注文をチームで管理することができます。卸業者さんから月額利用料をいただいており、注文する飲食店は無料というビジネスモデルで提供しています。
(導入企業のインタビューも少しだけ載せています。ご興味いただけそうでしたらぜひ、、笑)
https://note.mu/tanomu/n/n807c12ab1820
https://note.mu/tanomu/n/n6acc7d3bdd50
卸業者さんへの徹底したヒアリングから、TANOMUを着想
前編でも書いた通り、TANOMUはChefy時代の取引先である卸業者さんとの会話の中から生まれました。
本部があるようなチェーン店との取引はインフォマートに代表されるようなツールの導入が進み、かなりの業務がデジタル化されています。しかし全体の7~8割ほどある中小個人店との取引では、まだまだ電話やFAX、LINEによる個別のやりとりがメインです。
今でもよく「インフォマートさんと何が違うの?」という質問をいただくのですが、この図に示すとおり、そもそもインフォマートさんとTANOMUとでは、導入層がそもそも違います。
そういうわけで、特に個人店向けの販売がメインの卸売業者さんにとことんヒアリングをさせていただきました。ヒアリングを重ねる中で「受発注のコミュニケーション」にまつわる以下のような問題が見えてきました。
FAX:通信エラーでの受信トラブル、字が汚くて読めない
電話:配送中の対応が大変、言った言わない問題の発生
LINE:対応が個人になる、事務への転送ミスの発生
既存サービスはPC利用を前提としており、マーケットフィットできていないことも分かってきました。個人層に普及したスマホ利用を前提としたサービスであればと着想し共同創業者CTOの福岡と本格的に開発をスタートさせました。(Chefyで生鮮品を扱う大変さを思い知っていたので、次はWEBサービスでチャレンジしたいねとは話をしていました!)
MVPの反応はイマイチ、そこからの徹底したUX改善
スピード重視で最低限の機能で作って、お客さんに使ってもらったのですが、最初は厳しい言葉も多くいただきました。自信を持って出した機能が現場のオペレーションとちぐはぐになっていることも多くあり、「これにお金は払えないよ」と言われ落ち込むことも。
それでも救いだったのは、「川野さんのことはずっと応援したい。だからヒアリングはとことん付き合うし、良いサービスができたら広めることも応援する」と言っていただいたことです。
まずはたった一人、この人を幸せにできるプロダクトを作ろうと決めました。そこから数ヶ月に渡り改善を重ねていった結果、少しずつトラクションが伸び、卸業者の社長や事務員さんなど現場の人からも「これは便利だね!」と言っていただくことが増えてきました。
サービス開始から半年で数千店舗で使われるまでに成長
そこから数ヶ月、TANOMUは既に数千店の飲食店と卸売業者さんの受発注に使われるまでに成長しています。まだ積極的な営業活動はしていないのですが、卸業者さんの横の繋がりでご紹介いただくことが増え、卸業者の導入社数も徐々に伸びています。
これはtwitterで図解を配信している @watari922 さんが作ってくれたTANOMUのビジネスモデル図解です。ここにあるように、卸売業者さんと飲食店さんにそれぞれ、以下のようなベネフィットを提供しています。
卸売業者のベネフィット
・受注業務の効率化
・売上の増加
飲食店のベネフィット
・発注業務の効率化
・最新仕入れ状況の把握
私たちの課題
サービスが少しずつ大きくなるにつれ、見えて来た課題もあります。ここでは3つの課題をお話しします。
1つ目は、「顧客獲得」です。
レガシーな業界なため、所謂デジタルマーケティングが難しく、営業組織作り含め、地道な施策を積み重ねていきたいと考えています。幸いにもチャネルや手法について、手応えをつかめてきました!
2つ目は、「カスタマーサクセス」です。
タノムは、実際に得意先との受発注で使われて初めて価値を感じていただけるサービスです。そこで導入後のオンボーディング支援が欠かせません。
カスタマーサクセスの価値を磨き込むことで他にはない価値を提供できるようなサービスにしていきたいと考えています。
3つ目は、「プロダクト開発」です。
まだ少人数の体制のため、作りたい機能のうち一部しか開発を行えておりません。今後、顧客の要望をよりスピーディーに開発していけるよう組織づくりを行っていきたいと考えています。
チームTANOMUでは絶賛採用中です!
最後に、告知です!
チームまだ経営陣を含め10人未満の少数精鋭で進めています。そのため、チームに必要な人材としては、指示を待たなくても主体的に考え、実行できる人がいいと思っています。
オフィスはミールキットをやっていたオフィスと同じ場所にいるので、業務用のキッチンで料理ができます。料理好きな人には魅力的な職場かもしれません!笑 一緒に料理しましょう!
この記事を面白いと感じていただけた方。川野とお茶しても良いよという方は、ぜひお気軽にご連絡ください!
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