土とコンクリ

信州のうちで、今時季の夜、聴こえてくるもの。
フクロウの鳴き声。
カエルの合唱。
バサバサっと何か言ってると思ったら、ベランダにでっかい蛾。

大阪の実家、やっぱり静か。たまに救急車や消防車の音が彼方から響いてくる。

早朝にわんわん響くセミの声にはちょっと辟易。

以前から不思議だったのは、信州のうちは周りに木々・山たくさんあるけどセミの声は大して聞こえないのに、なんで大阪にはこんなに大量のセミがいるんだろう、と。
その疑問をふと口にすると、父が言った、田舎は外敵がたくさんいるからちゃうか。もぐらとかねずみとか。

なるほど、わからなくはない。
たしかにもぐらいる。ねずみも。
そうかもなぁ。

人工的に埋められてない場所を探すなんて、ハチャメチャに難しいだろう都会。
清潔で、虫も少なくて、雨降ったからってビタビタしなくて。人間にとってはすこぶる快適····なはず。
田舎···うちの前には、ほぼ手つかずの土・木・草、そこには無数の虫、なんなら動物。タヌキ・キツネ・キジ。人間と同じように、あらゆる生き物が息づく。それによる被害(人間側から表現すると「被害」。)もあるけれど。

あまりのちがいに、改めてびっくりする。

どちらがいい悪いじゃなくて、
どちらも現実、どちらもおもしろい。

缶チューハイ片手に、半分以上ぼんやりした頭で思ったこと。

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