小野神社参拝と母の面会:心に刻む時間
母の面会は15時30分。それまでにどこかへ行かなくては、とほとんど脅迫観念に駆られて焦っていました。頭の中の灰色の脳細胞をフル回転させて、行き先を決めます。決めた行き先は、京王線西関桜ヶ丘駅が最寄りの小野神社です。こちらは武蔵国一宮で、現在の武蔵国一宮といえば大宮にある氷川神社が一般的ですが、それは近世以降の話らしいです。中世以前は、今日訪れる小野神社が武蔵国一宮だったそうです。国府のあった府中からの距離を考えると、その点も納得できますね。
家を出てから母の病院の面会時間である15時30分までに小野神社を訪れる予定です。自宅を出発して小野神社で御朱印をいただき、撮影を済ませ、母の入院している埼玉県白岡までの所要時間をAppleのマップアプリで確認すると、小野神社で約1時間滞在できる計算でした。
準備が整ったら、急いでお風呂に入り、支度を始めました。持ち物はスマホ、カメラ、御朱印帳、そして旅のお供に選んだ本は『銀河英雄伝説』です。昨日、アマゾンプライムビデオで6話ほど見てしまったので、読みかけの本棚から引っ張り出してきました。
車とバイクが主な移動手段となっている現在、電車での移動時の服装選びには毎回悩まされます。天気予報によると気温は25度とのことだったので、厚手のTシャツと薄手のブルゾンを選びました。(もちろんズボンと靴も履いています)。戸締まりをして自宅近くのバス停から出発し、山手線に乗り換え、次に新宿まで、さらに京王線の特急に乗り換えました。
3連休の中日ということもあり、公共交通機関はかなり混雑していて、少々疲れました。
学生時代、私は京王線で2年間通学していましたが、聖蹟桜ヶ丘駅で降りることはありませんでした。今日は日曜日で、東京競馬場で競馬が開催されているようです。そのため特急も東府中駅に停車するとのことでしたが、そんなことは全く覚えていません。京王線に乗るのも久しぶりなので、仕方ないですね。
聖蹟桜ヶ丘駅に到着してから、小野神社まで徒歩で約10分ほど移動しました。駅前の案内板で確認したおかげで、迷わずに到着しました。神社に着いたのは11時を少し過ぎた頃です。小野神社の第一印象は、広い境内に対して小さな神殿があるということでした。このアンバランスさが印象的です。
御朱印所に行くと、今日は書き置きの御朱印のみとのことでしたが、宮司さんのご好意で、その場で御朱印を書いていただけました。宮司さんが日付を間違えて書いてしまったことに気づき、後から日付を訂正してもらいました。
宮司さんから、他の神社での話を聞きました。ある人が正月2日にお参りした際、御朱印に元旦と誤って書かれてしまい、訂正を求めたが拒否されたとのことです。その件で裁判となり、最終的に原告が勝訴しました。その結果、禰宜さんが1年間かけて全国の神社を回り、御朱印帳の訂正を行ったそうです。
私は、この話を聞いて、たった一文字の間違いでここまでの対応をするのは、今でいうカスハラ(カスタマーハラスメント)のようだと感じました。坂東三十三観音巡りのことも宮司さんに話しました。先日、観音巡り2周目に入った方が、同じ御朱印帳に2回目の訪問日を加えてもらうことがあるそうです。宮司さんはそのような使い方を知らなかったらしく、勉強になったと言っていただけました。
御朱印をもらい参拝しましたが、ちょうど神殿で神楽の撮影が行われていました。プロモーションの撮影のようでしたので、私は遠目で見学し、神楽の撮影が終わってから写真や動画を撮影しました。気づけば時間は12時半。13時18分の電車に乗らなければ、母の面会時間の15時30分には間に合いません。余裕はありましたが、昼食も兼ねて駅に戻りました。
駅周辺で何を食べるか迷っていると、吉野家の看板が目に入り、久しぶりに牛丼が食べたくなりました。牛丼とお新香、味噌汁のセットを頼みました。ちょうど100円引きのセール中で、少し得した気分です。支払いは100円引きの604円でした。物価の高さを改めて実感します。満たされたお腹を抱え、白岡へ向かうため再び電車に乗りました。
車内アナウンスで明大前を通ると、中目黒まで通っていた高校時代や大学の教養課程で通った思い出が蘇りました。そんなことを思い返していると、新宿に到着しました。新宿からは湘南新宿ラインに乗り、白岡を目指します。乗り換えの際にホームを間違えたのはご愛嬌。最近は新宿や渋谷の大きな駅では迷ってしまうことが多くなりました。
7分遅れの電車に乗り、白岡駅に到着したのは14時40分頃。病院まで歩いて10分ほどなので、少し早めに到着しました。駅前のローソンとカスミが併設された店舗のイートインでガリガリ君を食べて時間を潰しました。
15時には病院に到着し、受付を済ませました。30分ほど待って、母の病室に向かいます。母の様子は入院した当初よりもかなり安定していました。尿管にステントを入れた効果かもしれません。小野神社で買ったお守りを飾り、母の足をさすってみると、毛布越しにも分かるほど細くなってしまったことが心に響きました。昨日、大腿骨の手術をしないと決断したばかりだったので、罪悪感に苛まれています。面会時間は15分。制限時間を告げる無機質なアラームが鳴り、明日も来ることを母に伝えてから病室を後にしました。帰りは妹に教えてもらった経路で帰りました。宇都宮線の下りに乗り、2駅先の久喜駅で東武線に乗り換え、西新井で下車して、喉を潤してから帰宅しました。
長々と私の一日を綴りましたが、この記事がどなたかの参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。