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良い男の酒

ランチで昔馴染みでもある、お客様の店に行った。
この日は又、別のお客様を連れて。

女性の同伴がある時は指定が無い限り、明るく健全な時間帯に食事をするようにしている。
面倒事も勘違いも世間は広いようで狭いから噂話も不愉快だから。
極力、火の無いところに煙を立たせたくは無いように気をつけている。

時間にゆとりが有れば、僕は昼から酒も飲んだりする(結構よくある)。

このお店は麒麟推しで、ウイスキーは『陸』が置いてある。
この店でママが気に入った方には出してくれる。

良い男には。
ママ太鼓判の良い男認定、また来てね的な意味があるだか無いだか。

良い女専用の酒は無いのか?と聞くと『ボトル入れたら専用になるじゃない』との事だ。
昔馴染みには緩いが、新参者には少し手厳しい。

ママは2ヶ月に一度くらいで僕の店に来る。
僕も大体、そのくらいのペースでママの店に来る。
高校生の頃は、ママのママが店のママをしていた。
二代に渡り、付き合いが長いから懐かしい話も時々出る。

お互いに肥っただことの、肥っただの、中年体型だの…残念な指摘も笑って言い合う。
大体、体型の自虐ネタ。

『いつも違う女を連れて来て!何人泣かしてんの!』

『お客様連れて来るんだから他意はないじゃん…』


この会話の下りが入口入って大体の御決まり。
彼女が出来て、もうすぐ1年になるが前妻が亡くなる前から接点のあるママは、何気に僕の理解者の1人ではある。

高校時代に周りより少し威勢が良かった頃、ママの店は自宅に帰らない小僧達の憩いの場だった。
この頃は、先代のママがママをしていた。

親には言えない事も、先代のママはよく聞いてくれた。
二代目のママは僕より若干年上。

どこぞのさんの記事で『駄馬の王子』の下りがあり、僕は非常にツボを突かれて、読みながら笑っていた。
うちのお客様と二代目ママにも読ませたら『駄馬』と『白馬』の違いについて、お客様と二代目ママの体験談を語らう場になった。

『良い男って言うのはさ〜』
『わかる!そうそう!』
『駄馬って!●●●でかい、小さいだけじゃないのよ!馬並みでも、自分に合うか合わないかなのよ!』

ひとしきりガールズトークに花が咲く。
聞いて聞かぬフリ、見て見ぬフリ。


みんな、違いが分かるもんなのね。 
女性ってどこを見てるんだろうね。
僕は女性ウケとか本当にどうでもよくて考える事もしてきてないから『へー!そうなんだ!』な学びが沢山あった。


萌ゆ、燃ゆ。

盛り上がる笑い声は酒のツマミ、
女は笑って喜んでたら可愛く見える。
どこぞのワールドは独身貴族のアラフォー女性のハートに花を咲かせた。

恋は濃い。

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