盛岡という星でタンキュー部「出張!タンキュー部」レポート
探究活動に取り組む高校生同士が交流を図りながら、活動をより盛り上げるためのプログラム、「盛岡という星でタンキュー部」。12月20日(水)には、「未来のワタシゴト探究会議」の併催イベントとして、いわて県民情報交流センターアイーナで「出張!タンキュ―部」を開催しました。
プログラムでは、お互いの活動内容を紹介したり、情報交換をしたりすることで、市内の高校生同士の交流を図りました。今回はその様子をレポートします!
自分の活動について紹介しよう
今回のプログラムには、盛岡市内の高等学校を中心に6校45名の高校生のみなさんにお集まりいただきました。異なる高校の生徒同士で集まるのは、部活動の大会などでときどきあるかもしれませんが、今回のように「探究」というキーワードで高校生同士交流するのはなかなかない機会かもしれません。
せっかくさまざまな高校からお集まりいただいたので、みなさんに学校ごとにどういう探究をしているか伺うと、「みんなで興味のある地域課題を解決するアイデアを考えている」という学校や、「SDGsがテーマの人が多い。そこから発展させて自分の興味に落とし込んでいる」という学校など、取り組み方のスタイルはさまざま。
たしかに、紹介用で持ってきていただいた資料を見てみても、学校ごとに特徴がみられます。
参加者のみなさんにはグループの中で、1人8分程度でご自身の活動をご紹介いただきました。グループを順番に回ってみると、
「自転車の前カゴの振動を防いで、チャリ通ライフを快適にしたい」
「規格外野菜をZOOMOの動物たちに提供してフードロスをなくしたい」
「若者の映画離れを防ぐために市内の映画館の空き状況を現地調査している」
「アフタヌーンティーで地域活性化できるように高校生でも楽しめるアフタヌーンティーのメニューを考えた」
などなど、多様な取り組みが聞こえてきました。じっくり探究してきたことがわかるほど、みなさん目指す姿が具体的で、改善のためのアイデアにも高校生だからこそ思い浮かぶようなオリジナリティがありました。みなさんのアイデアが実現したら、盛岡は一体どんな街になるのか、そんな期待が膨らみます。
取り組むテーマや内容、まとめかたはちがっていても、みなさんに共通していると感じたのが「自分の活動を自分のものとして語れること」。一人ひとりが探究している分野に関する専門家として、自分なりの意見や考えをもってここに参加していることを、たびたび感じる場面がありました。
例えば、同じテーブルに座ったまったく異なるテーマの4人同士で、もし一緒にプロジェクトに取り組むとしたらどんな関わり方ができる?そんな質問に、自身の探究の広げ方、他の分野との関連づけ方を考えて、「自分のテーマはこういうことを目的にしているから、○○さんのテーマと目指すところが似ているかも」「●●さんの教育に関して探究した視点を、私の探究にも生かしてほしいな」「それなら自分の探究もこうやって生かしてもらえそう」などと自由に意見をお話しする姿。参加者のみなさんの数だけ集まった、たくさんの興味、知識、経験が共有されることで、新たな学びが生まれていることを実感しました。
探究体験談を共有しよう
後半の時間では、「探究あれこれ情報交換」ということでグループのなかでざっくばらんに交流していただきました。ここまでの時間は活動について深掘りする内容でしたが、この時間では探究に取り組んだみなさんだからこそ感じた体験談の共有タイムです。参加者のみなさんは1年生から3年生まで、学年も多岐にわたり、今後の展望としてより活動が本格化していく方もいらっしゃれば、ここで一区切りという方もいらっしゃいます。だからこそ、お互いの探究に対するモチベーションを共有するような時間を設けました。
探究していて苦労したこと、楽しかったことなどを共有しながら、最終的にはみなさんに、「もしもこれから探究に取り組む後輩に探究の極意を伝えるとしたら?」を考えていただきました。
最後に、みなさんが考える「探究の極意」を全体で共有していただきました。一部をご紹介します。
★「マイスタイルを貫け!」
やりたいことをやるってことが大事。
テーマ設定も、検証のしかたも、自分次第で幅は広がりますよね。
★「担任の先生の意見をきく!」
ときには周りの人の意見も取り入れてみよう。
そんなとき一番身近で力になってくださるのが、担任の先生。
★「前例は自分で作る!」
たしかに学校ごとにゴールや課題・・・のようなものはあるけど、
そればかりに捉われず、誰もやってないなら自分でやればいい!
みなさんのいきいきした様子が印象的だった今回のプログラム。
1年ないし2年の期間をかけてしっかりと自分の興味を掘り下げてきた成果を、参加者のみなさんの姿勢からをひしひしと感じました。プログラムの最後に回収したアンケートのなかにみられる前向きな言葉も、みなさんが頑張って取り組んだからこそ浮かぶ感想だと思います。
●面白い着眼点の探究がたくさんあって自分自身の考えを深めるきっかけになりました。
●ひとりひとり違う探究を行っており、その解決方法も様々あって、非常に良い刺激になりました。
●私たちの班はSDGsに縛られた中での探究活動だったが、地域課題に特化している活動を聞いて、過疎化改善や不登校の問題についてはSDGsにも繋がる改善策があると思った。そのような繋がりを発見出来て、とても面白かった。
●レベルが高いなーと思いつつも共感できることが多くて楽しかった。斬新なアイデアや実用的な身近な課題などがあって楽しかった。ぜひグループメンバーの人の案の実用化をして欲しい!!!(チャリ通ライフの案)
●他校の人と交流する機会がそもそも少ないのでこのような機会を作っていただけで嬉しかったです。自分1人では考えつかないような意見もたくさん聞けて自分自身が成長できたのではないかと思いました。
今後、冬休みにアイデアの実行を企画している方、今回のプログラムを経て他の参加者からのアドバイスをもとにブラッシュアップを考える方など、探究はまだまだ終わりではなく、これからも進行していく参加者の方が多いようです。みなさんの今後の取り組みに、期待しています。
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