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青空と孤独の狭間で

最近、家で一日中過ごしていても苦じゃなくなってきた。なぜなのかはわからない。


大学に入る前、実家で暮らしていた時は、1日家の中で過ごすなんて日常茶飯事だった。休みの日に遊ぶような友人はあまりいなかったから、部活がない日は家で勉強するか、本を読むか、寝るか、ひたすらスマホをいじるかで過ごしていた。

大学生になって一人暮らしを始めた時、最初に対処しないといけなかったのは、圧倒的な孤独感だった。休みの日に朝起きる。外はとても晴れている。特にやることはない。人と会う用事もない。起き上がる。水を飲む。朝ごはんを食べる。ここまではいい。


朝ごはんを食べ終わる。洗濯物はまだ溜まってない。食材もあるから買い出しも必要ない。今日何しようか。家で適当に過ごそうか。窓に目をやる。外はとても晴れている。今日一日誰とも一言も話さないのかな。部屋狭いな。お腹空かないな。…孤独。


僕は朝型人間だから、夜に孤独に苛まれるという経験はあまりない。孤独がやってくる前に眠ってしまうからだ。僕にとって問題なのは、やることがない午前中や昼下がりに、狭い部屋の中から青空を眺めることなのだ。青空には二面性があって、味方でいてくれる時もあれば、僕の心をざわつかせる時もある。


一人で過ごすことが苦なわけじゃない。だけど、ずっと部屋の中にいると、世界って本当に存在しているのかとか、僕以外の人間が消滅してしまったんじゃないかみたいなよくわからない妄想が始まってしまう。だから、外に出て世界と自分を再接続する作業が必要になる。


そんな時は、午後からちょっと出かけることが多かった。歩いて行ける範囲の公園とか図書館とかカフェに行ったり、なるべく人が少なそうな路線を選んでちょっと遠くの公園や河川敷に行ったり。


だけど、せっかく行った図書館は満席で、カフェはマダム達が大声でお喋りしていて、公園のベンチもおじいちゃんが占領していて、河川敷は大抵ゴルフ場か野球グランドになっている。こんなことなら、高校生の時に東京の大学は選ばなかったのになと思う。考えることはみんな一緒なのだ。みんな一人で家にいたくないのだ。きっと。


居場所を探す旅を一年ほどやって、巡り巡って得た結論は、大人しく家にいるのがいいということだ。正確に言えば、家に1日いても別に悪くないと思えるようになった。幸いインドアな趣味は多い方だと思うし、窓から見える青空は実は海で、サメがウヨウヨ泳いでると思えばいいのだ。どう転んでも、生活は続いていく。



というわけで、今日の予定を書いておく。たいして役には立たないと思うけど、家にいても楽しく一日過ごせるという保証にはなる。別に全部をやる必要はないし、気が向いたら出かけるのも悪くない。公園に行って空いてるベンチを探して、見つけられずにそのまま帰ってこよう。

洗濯干す
いちじくパンを焼く
焙煎する
ギターの練習する
ちょっとパソコンで作業する
本を読む(世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド)
本屋で見つけられなかった本をAmazonで買う(ライ麦畑でつかまえて)
掃除機かける
スーパーでお米買う
八百屋さんで野菜買う
ドラッグストアで洗顔とハンドソープ詰替を買う


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