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ゲームディレクターのコミュニケーション

こんにちは。たんけんずきです。

前回(ゲーム開発のコミュニケーション)の続きです。
今回は企画を通して、ディレクションを任される人のコミュニケーション能力について。

企画立案に必要な能力

結論から書くと、ゲームの企画・ディレクションを任されるには、
 アイデアを思いつく発想力
よりも
 コミュニケーション能力
の方が重要です。

(あくまで企画立案で「認められやすい人」についての話です。当然、面白いゲーム、売れるゲームを作るには、もっと様々な能力が必要になります)

発想力がないという人も、ある程度鍛えることでカバーすることができますし、数をこなせば良いものが生まれることがあります。逆に発想力がすごいという人も、製品レベルのものをいつも生み出せるとは限りません。それは世界的なクリエイターでも同じなのです。

しかし、コミュニケーション能力は例外なく必要です。ここでは、前回の「正しく意図を受け渡しできる能力」だけではなく、「自身の考えが正しいと思わせ、それに従いたくなるような説得力を持った、広い意味での圧倒的なコミュニケーション能力」が必要になります。

企画者として

企業で企画を見る側の立場としては、もちろん企画書は重要です。
(企画書で始まらないプロジェクトもありますが、それはおいておきます)

企画書は、わかり易く簡潔に書くことや、具体的なイメージが判る画像を多用することなど、テクニカルな話も大事です。

とはいえ、企画がどのように解釈されて受け取られるかは相手次第です。

ゲーム会社のジレンマで書いた通り、判断する側も新規性のあるゲームにチャレンジするべきだと思いますし、それに合わせるなら企画者はどういう点に革新性があって、どう楽しめるのかを早めに簡潔に書くべきです。

しかし、保守的な見方をする人であれば、どれくらいの売り上げが予想できるか、過去の類似ゲームの実績とそれとの類似性の説得力が必要になってしまうかもしれません。

企画書は見る相手がどう捉えるかを考えて書くことが大事で、それも一つのコミュニケーション能力と言えます。

また、ほとんどの場合、企画書だけを見てプロジェクトが始まるわけではありません。判断する側も「こういうことは想定しているのか?」という疑問や心配はたくさんあるので、企画者はそれに答えられなければいけません。

ディレクターとして

そしてゲーム開発は、試作、量産、仕上げ、それぞれの段階で先の見えない壁が立ちはだかることがあります。
そのディレクター、チームが壁にあたったときに乗り越えられる能力を持っているのか?という点も心配になります。
ディレクターはそれら全ての心配を払拭して、安心させる、この人に任せれば大丈夫と思わせる必要があります。

この安心感は開発が始まってからも役立ちます。
コンセプトを曲げることなく、スタッフに周知させ、その方向で進めば良いんだと思えたら、迷いなく制作することができます。

だからこそ、企画書だけではなく、その人に任せて良いと思えるコミュニケーション能力が問われることになります。

実際、自分が見てきた中でも優れたディレクターは、ものすごい発言力を持っていた人達でした。自説を延々と、2秒も間を開けることなく1時間以上平気で話し続けられるような人だったり、とにかく言葉のパワーが桁違いです。

最後に

前回と合わせて、企業のゲーム開発プロジェクトの成功にコミュニケーション能力が不可欠であることを強調しました。

それと、ゲーム自体もプレイヤーとのコミュニケーションと言えますね。一部はゲーム序盤の難易度と楽しさを伝えることで取り上げました。

一方で、コミュニケーション能力の高い人が、わかりやすく面白そうな企画を作って開発がスタートするという、その形では作れないようなゲームがあると考えています。
そちらもまたの機会にて。

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