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2021年5月の記事一覧
Bar leaves 2
ゆらゆらと影のようなものが立ち上がる。
鏡の向こうから最初は靄のように小さかった影が
こちらに動いて来ているのがわかる。
平面だったはずの鏡面が、表面張力のように盛り上がり
ぷるぷると揺れだした。
怖くない、怖くない。
私はあくまでもアバターなんだから。
今アバターである私がいる場所は液晶画面が外界との結界。
外は見えている、いや感じていると言ったほうがいいのだろうか。
認識でき
Bar Leaves
地下に降りていく階段。
ジャズが低く流れている。
ここがどこかは知らない。
私は何者かもよくわからない。
オーナーが気まぐれで作ったアバターの私は正式な名前がまだない。
白いブラウスに黒いスカート、裸足で下駄を履いている。
着たきり雀とは私のことだ。
時々出番があって、歌をワンフレーズ歌う以外の仕事はない。
そのワンフレーズは古い和歌ということと、
オーナーがポチポチと画面を押し