Bar leaves 2
ゆらゆらと影のようなものが立ち上がる。
鏡の向こうから最初は靄のように小さかった影が
こちらに動いて来ているのがわかる。
平面だったはずの鏡面が、表面張力のように盛り上がり
ぷるぷると揺れだした。
怖くない、怖くない。
私はあくまでもアバターなんだから。
今アバターである私がいる場所は液晶画面が外界との結界。
外は見えている、いや感じていると言ったほうがいいのだろうか。
認識できていると表現するべきだろうか?
人間の皮膚組織が、個体と環境との境目だとしたら
アバターのワタシ、は画面が境目であると一応決めてみた。
それにしてもこの影は何かを通り抜けようとしているらしい。
おかしいな、酔っ払ってもいないのに。
想定されていない動きを目の前にして、
なぜ人間のオーナーは気づかないんだろう。
サポートって・・・もししていただけたら嬉しいです。