紀の善の味は心の中にいつまでも
六月に甘味屋で吸うお雑煮の来年こそは帰省しようか『 雑煮 』 (うたの日1/4)
残念ながらもう閉業してしまったが、大好きな甘味処があった。飯田橋から神楽坂に向かう道沿いにあった「紀の善」という店だ。抹茶ババロアが有名だったが何を食べても絶品だった。餡ものが苦手な知人にここの餡だけは食べられると言わしめた味だ。薄紫の上品な甘さのあの餡が恋しい。まだあの餡を超える餡には巡り会えない。
寒天も臭みがなく赤豌豆と寒天だけの豆カンでも手土産に恥じない味だった。
甘味だけでなく釜飯やお雑煮などの食事もあった。ちょっと小腹が空いた時に軽く食べるのにちょうどよいのがお雑煮だった。お正月以外にも食べられるのもうれしい。故郷を離れて生活している人などは正月には帰りたい思ったりするのかな?なんて考えながら完食する。
しょっぱいものを食べたあとは、当然のごとく甘いものが食べたくなるもので追加であんみつやお汁粉を注文してしまい、小腹ではなく大腹が満たされて帰るのが常だった。