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泡立草の矢印

夕まぐれ泡立草の矢印が揺れて導く西へ西へと
『 西 』(うたの日11/24)


かなり初期のころに作ったストックから。

泡立草(正式名はセイタカアワダチソウ)はその名の通り草丈が長く秋に黄色い花を咲かせる雑草だ。茎の尖端に円錐状に付く花は矢印のようにも見える。背の高さから子どものころはキリンソウとも言っていた。
大繁殖しススキのピンチなどと言われていたこともあったが、いつの間にか見なくなっていた。

ところが最近またあちこちでよく見かけるようになってきた。群れて咲いているのを遠くから眺めると秋の菜の花畑のようできれいだ。
しかし近くで見ると鬱蒼とした不気味感が漂っている。薄暗がりの夕方、風になびいているのを見ると一斉に同じ方向へと誘導されているように思えてくる。そのまま進んでいったら魔境へと連れて行かれそうである。足早に通り過ぎ見慣れた大通りの街灯の灯りにホッとして帰路を急ぐ。

秋の夕暮れ時は魔の時間とも云われているようだ。くれぐれも怪しい世界に連れて行かれないようにお気をつけあれ。

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