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Mo#27 結果発表「台」

Tanka Place Moでは
新月と満月の日に歌会を更新しています。
今回は「台」の短歌への投票結果と
コメントを発表いたします。

...

1.
秋黴雨 ラジオドラマに聴き入って台本にないため息をつく
花曇り 3点

山彦「1.6.14 流れがあります」1点
シモムラ アキラ「”秋黴雨”初めて聞きましたが良い言葉ですね。」1点
あめちゃん「読み方が分からなかったですが、構成が良かったと思います。」1点
田中大貴「(あきついり)は(あきつゆいり)から音が変化したそうです。」
南さよ「ラジオの持つ雰囲気と台本がマッチして思わずため息が。」


2.
喜んで実験台になりましょう これからのあるきみの代わりに
シモムラ アキラ 5点

シモムラ アキラ「これからがそんなにない私」
花曇り「主体ときみの間にある埋められない溝とそれ故の強い絆を感じる。これからとはつまり未来でおそらくその先に「私」はいない。だけどもそれを主体は希望と捉えているのだ。だからこそ喜んできみの代わりを引き受けよう、と。非常に巧く展開されていて味わい深い歌だと思います。」3点
南さよ「コロナ予防接種?台が歌の中心に置かれている」1点
福良 椋(ふくら・むく) 「言い切った所がお気に入り。」1点
乙女「「これからのある」の言葉が舌足らず」


3.
量産型颱風ノ猛威ニテ、混沌(Chaos)ガ定期ノ第三惑星
あめちゃん 3点

猪之丞「漢字片仮名表記ハ実験的ナレドモ少々歌意不明ノ点ハ改良ノ余地アリト存ズ」1点
斎川都「定期的混沌、それも宇宙の摂理ですね。」1点
田中大貴「作者の好きなことをしている歌が好きです。」1点


4.
発射台
月へと向けて打ち上がる
日本の希望探査ロケット
スイートバジル 1点

空「私も詠んでみたい感じ」1点


5.
台紙から残りのマスにせがまれてパンの途切れぬ秋の朝食
ゆかり 2点

猪之丞「どこかのパン祭り。昔、落した皿は丈夫で割れませんでした。「台紙から…せがまれて」の喩法はいいですね。実感を気取らずに詠んでいるところに共感します。」2点


6.
憧れのあの人の家は高台に
赤い椿に濃く彩られ
空 2点

山彦 1点
シモムラ アキラ「赤い椿が効いてます。」1点


7.
さぁおいで
母さん 下で
待ってるよ
子のすべり台
笑顔 輝く
しゅくるん 4点

空「母親の想いが出ている」1点
あめちゃん「改行していることで良さが際立つ感じがしました。」1点
あふろ姫「まずは「台」から同じ「すべり台」を題材にされていてとても親近感!
そして優しい情景が目に浮かぶ素敵な歌に感動しました。」1点
マツナガ 1点
しゅくるん「すべり台からいままさにすべり下りようとする子どもが、陽の光に照らされてる情景。
その子を頼もしく思いながら見あげる母親をイメージして、作りました。」


8.
登り台 小粒な私 助かるの あの3人を 一目観たくて
P_P

P_P「ライブの時は巨人は俺の前に来ないでくれ。あとパーマとお団子女子も。」


9.
すべり台小さき頃の思い出と
今年は夏の事故の記憶も
あふろ姫

あふろ姫「物事には表の面と裏の面、ポジティブとネガティブが必ずあるという話・・
楽しい思い出と悲しい記憶、それでもどちらにも〝両方〟が存在するはず。
命を落としたけれど楽しく遊んだ記憶は残るはず!
楽しく遊んだ記憶でも喧嘩したり楽しかっただけとは限らない訳で・・
現実をありのままに受け止めて始まる何かがあるとテーマ『台』から開始された想いあり」


10.
そういえば、
なぜ「大」じゃなく「台」なのか?
南より来る
秋の嵐は
すーさん@ヘタレドライブ

すーさん@ヘタレドライブ「中国では「大風」と書くんですけどね
「台湾あたりで吹く強風」という意味で「台風」と呼ばれることも。」
乙女「・・そういえば不思議だね。渦巻の様子が厚い円盤を成しているからかなあ?とんち問答のような魅力」


11.
おさな頃 男は来るなの台所 老いたる今は家内と替わり
マツナガ 6点

天体観測 3点
しゅくるん「昔は台所の仕事は女の仕事と言われてましたね。
時代は随分変わりました。
老いて夫婦で助け合っている姿が浮かびます。」2点
シモムラ アキラ「時代は変わりましたね。」1点


12.
丑三つに厨の闇に水を吐く蜆の生きるかすかな音が
南さよ 2点

南さよ「潮干狩りの懐かしい思い出です。実際はアサリでしたが。」
あめちゃん「静寂な雰囲気にリラックスできました。」1点
ゆかり「台所を厨としていて題の読み込みに工夫があるなぁと思いました。静かな景でとても好きです。」1点


13.
首吊り台をみがく飛び散る体液と混ざる体液が真水だったら
田中大貴 5点

しゅくるん「怖いです。
でも、そんな仕事をされているかたもいるんですもんね。
うちの近所が東京拘置所です。
忘れないようにしたいです。」1点
南さよ「マイナーな台、せめて真水になればと願う」1点
福良 椋(ふくら・むく)「 不気味なコトバが「台」の廻りを彩る。」1点
乙女「混ざる体液とは何だろう」焼き場の人の体験を読んだ.焼却炉のなかの遺体は起き上がり血を吹き出すそうな。振り返ってのぞき窓の向こうの人と目がしつかり合うそうな。1点
あふろ姫「ずっとイメージつかなくてずっと心に引っかかってた。
今また見てみたら・・・
何となく分かった!と思ったけどやっぱり謎に惹かれる歌だった。」1点
田中大貴「ここには喜びも悲しみもある。」


14.
墜ちてくる鳥と貴方と残照が台場の海を火の窯にして
乙女 5点

山彦 1点
南さよ「火の釜の表現が凄い。ただ、台が地名で中心に置かれていないのが残念」
福良 椋(ふくら・むく) 「幻影の映像に少し酔う。」1点
空「鳥も人も焼かれるイメージが面白い」1点
田中大貴「それでも人は恋に焦がれる。」1点
ゆかり「海に入るものを堕ちてくるという表現と、その3つが物質だけでなく沈む夕陽が入っていることも、スピード感や景のダイナミックさを出していて、下句とより響き合っていて素敵だなと思います。好きなお歌です。」1点


15.
山盛りで荷台に載せた悩みども暫くこのまま曳いて進むか
猪之丞 1点

斎川都「いつか全部放り捨てることができるのか?きっとどこまでも曳いて歩くのでしょう。」1点


16.
夜中過ぎ 天文台で 覗く星座 遙か宇宙の 深淵の奥
天体観測

天体観測 「秋なら星がよく見えるかなと思いサッサと読みました。駄作ですが、宜しくお願いします」


17.
中坊にて見事にきまる跳び跳ねてムーンサルトや三角跳びも
酒井宜仁


18.
電線で羽根を休める雀達下に知られず秘かにタップ
福良 椋(ふくら・むく)

福良 椋(ふくら・むく)「「台」というコトバを用いていませんが、「台」といえば「タップ」ということで。」


19.
君と見た灯台からの地平線落ちる覚悟のILOVE YOUだ
山彦 4点

P_P「かなしい。」2点
あふろ姫「これはキューンのシチュエーション!
𝙂𝙤𝙤𝙙 𝙡𝙪𝙘𝙠――と言いたくなった☆」1点
斎川都「そこが今、世界で1番高い場所だよ」1点


20.
深呼吸するなり頬をつつくなり肩を組むなりして舞台袖
斎川都 5点

乙女「リズミカルで弾んだ恋心いいなあ。地味な舞台袖で展開される一幕のときめきが伝わる」2点
南さよ「よく観察出来ている。または出演時か。舞台袖はハラハラ・ドキドキ」1点
P_P「リズムか。気持ちいいなり。」1点
田中大貴「(「して」の集中がうつくしい。)さあ舞台をはじめよう。」1点


21.
飼い猫は私が傍にいる時だけエサの高台のぼれぬラブ・ミー
星翠杜(ほし・すいと) 1点

星翠杜(ほし・すいと)「我が家の猫のルナちゃんの実話です。
甘えん坊で可愛いでしょ?」
乙女「ぞつこん甘えている猫ちゃん。抱きしめたい飼い主のまんざらでない顔。ふふふふ。」
ゆかり「飼い猫が甘えてくる様子なのですが、ちゃっかり感が付かず離れずの距離感をうまく出していて、猫の生態がよく詠まれているなと思いました。好きなお歌です。」1点


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「台」の歌会に参加いただきありがとうございました。
次のテーマは10月29日(日)に発表を予定しております。
どうぞよろしくお願いします

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