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鳥取県初AIアート展、開催レポート

9月17~18日、上映会から引き続いて、境港市の海とくらしの史料館でAIアート展を開催しました。


私がAIで制作した作品と、ゲスト作家ふぃくしょんAI.氏の作品を展示。
今回、展示した作品の一つを後日行なわれたアンデパンダン絵画展にも出品しましたので、そちらについても触れようかと思います。

AIは最近、発展が著しいですが、同時に批判も多いです。
デジタルコンテンツの公開・販売サイトなどでもAI使用の作品は禁止、あるいは制限がかかるという場所が大半です。
また、世間の風潮的にもAI使用=悪いこと、みたいな空気ができつつあります。例えば、クリエイターさんの作品にAI使用疑惑がかかって、バッシングされたり。
証拠もなく疑惑がかけられるというのも問題ですが、それ以前にAI使用はバッシングされて当然という風潮になっている。
また、どこまでがAI使用となるのかという定義も曖昧です。曖昧なまま、AI使用は不可の流れができています。

私、個人としてはクリエイティブ業界の未来にとって、この流れは非常に良くないと感じています。

過去記事でも紹介していますが、制作中の映画ではAIにより出力したイメージ画像など、いくつか使用しています。
小道具などの「既存のものそのまま使ったら著作権的に問題があるが、全部オリジナルで作るのは大変」という位置づけのデザインを作るのにも非常に重宝します。
それらを全部外注したら、それだけでクラウドファンディングの資金全部飛んでいたでしょう。
自分で描くとなると異常に時間がかかる上に、クオリティも下がる。
私のような予算規模が小さい中、活動する身としては非常に助かります。

それがアーティストの仕事を奪っているという主張もあるでしょうが、私個人の考えとしては、やはり人間にしかできない表現というのはあると思います。
AIを使用した人ならわかると思いますが、思い通り、イメージ通りの絵を出すのは非常に難しいです。

映画でも、オープニングアニメなどは手描きで制作していただいています。

こちらのイメージした通りに作っていただけましたが、この雰囲気はAIでは出せません。
私がAIをあまり問題視していないのは、人の手描きの力を信じているからというのが強いからでもあります。

クリエイティブ業界でのAIバッシングの流れは、私自身、作品がAI使用が理由でプラットフォームから弾かれるという経験もしており、他人事でありません。
この流れに一石を投じる為に何かできないか、そう思ってAIアート展を企画しました。

勿論、AIが持つ問題点は理解しています。
しかし、そちらを指摘する方々はネットなどを見てもたくさんおられるので、私はあえて良い方のみに目を向けてみました。

あと、調べてみると、鳥取県でAIアートの展示をした個人、団体はまだいないようなので、今なら県内初という実績を作れるかなと。
(意識高い話からの、俗物的思考)

いいですか、鳥取県の文化事業関係者の皆さん。

今後、AIアート関連事業を進めることになったり、AIアートについて語る際は、最初にやったのはこの私だという事実を忘れないように!(`・ω・´)ズヤッ

この先、鳥取県のAIアート事業がどれだけ発展しようと全ての先駆けは、タニヤマ・キネマだったということを歴史に刻んでおくように!(`・ω・´)ズヤァッ

展示した作品を紹介します。

『海とくらしの史料館』

会場である「海とくらしの史料館」をAIで生成。
海とくらしの史料館、剥製、魚、民俗史料館などのワードから生成。
けっこう雰囲気は出ていると思います。

『鳥取県』

鳥取県、梨、砂丘などのワードで出力。
図らずもちょっと弓ヶ浜っぽい。
過疎な感じが出ていますねェ……。

鳥取県、そして境港市といえば妖怪。
ということで、AIに妖怪画を制作してみました。

『蜘蛛女』

『人魚』

『キノコ人間』

『がしゃどくろ』

『ぬらりひょん』

『一反木綿』

AI特有の骨格や、人体の歪み、不自然さというのも、妖怪だと不気味さを際立たせているので、AIと怪奇画の相性って意外と良いんじゃ無いかと思います。

上でも少し触れた、映画「スパイア 蠱毒の妖姫」で使用したAIイラストの一部も展示。

『先住民の呪い』

『放射能の呪い』

『月光工業ポスター』

ゲスト作、ふぃくしょんAI.氏の作品

ふぃくしょんAI.氏はAIを利用した架空のブログ記事などを創作しています。

AIはアートと言えるか? 創作と言えるか?
そういった疑問や議論はあるかと思います。

こちらは私の作品

こちらはふぃくしょんAI.氏の作品

どうでしょう、かなり作風が違いますし、それぞれの個性が出ているのでは無いでしょうか。
そこに作家性やアート性があるのではないかと思います。

前述の通り、AIアート展で展示した妖怪画のうち一枚を米子市美術館のアンデパンダン絵画展に出品しました。

『AIが描く怪奇』

上記の『一反木綿』ですが、申し込みをした時点ではどの作品を出すか決めていなかったので、このタイトルに。
こっちの方が、なんとなく興味を引き、想像を掻き立てるので、結果としては良かったと思います。

アンデパンダンとは無審査・無賞・自由出品を原則とする美術展であり、保守的な美術業界に対抗するためにフランスで生まれたものだそうです。
あらゆる作品を受け入れ、展示するという、表現の自由の最後の砦ですね。
市展で拒否された絵もアンデパンダン絵画展では飾ってもらえました。


そういうコンセプトの美術展なので、あえてAIアートというものを出品してみました。

会場のスタッフの方曰く、注目していただけていたとのこと。
地元のテレビや、ネットニュースでも取り上げていただきました。



AIアートをアピールするという目的としては、成功だったと言えるのではないでしょうか。

AIはこれからより発展し、できることも増えていくと思います。
そして、実際使ってみてですが、AIを使いこなすには結構、技術やセンスが必要です。
なので、充分クリエイティブと言えると思いますし、使いこなせればかなりのアドバンテージになると思います。

せっかくの新技術、禁止・制約するよりも上手く使って、より良い、面白い物を生み出していける世になっていったらと思います。



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