いくつ作れば? 値付けどうしたら? ゲームマーケット出展費用について考える
どーもこんにちは。
ボードゲームを作ろうと思い立ち本年8月にnoteを書きはじめた素人です。
で、ですね。
それ以降、SNSを通して出展者を観察したり、意気揚々とゲームの案を考えていたのですが、「予算、しんどい」ということに今更ながら気がついてしまったんですよ。
というのも、
カルカソンヌのようなタイルを使ったボードゲームを作ろうと思った
タイルの形状が複数パターン存在し、見た目も楽しいゲームを考えた
制作費を試算して憤死しそうになった
ということがありまして。
誰もが通る道なのでしょうか。
個性的でリッチなコンポーネントなのに、どう考えても安すぎる価格設定のゲームが流通しているのは、いったいこりゃどういうことなのでしょう。
大量生産? 海外発注? それともあ・か・じ?
初心者クエストをやろう
いわば自分は、駆け出し制作者。
レベル1、仲間なし、の状態です。
そんな自分がとるべき戦略は?
そう、カルカソンヌに立ち向かうのではなく、お手軽カンタンなカードゲームを作ること、です。
コンポーネントがリッチなボードゲームはいったん忘れて、リスクを抑えて経験を積むのが先決です。
その過程でレベルを上げ、仲間と出会い、それから大きな冒険をするというのが筋というものでしょう。
では、そんな自分がやれることは何なのでしょうか。
チャック横丁
ゲームマーケットには、厳しいレギュレーションによって出展の敷居を下げまくった初心者用のプランが存在します。その名も、チャック横丁。
ありましたよ、そんな自分にやれること。
出展できるゲームは1つ、最大100セット、専用エリアでの販売、設営ほぼできない、といった規定があり、出展料は5,500円。一般出展の最低料金が11,000円なので、その半額。
設営やパッケージの作成という手間から解放され、純粋にゲームを作って売ることを考えると、なかなか魅力的なプランです。
またSNSや書籍からは、下記の情報が得られました。
値付けは500円が相場(工夫次第で上げられる)
同じゲームを箱なし500円、箱あり1,500円で販売したら、後者の方が売れた
一般客の多くはチャック横丁をスルーする
しかしチャック横丁を重点的に見る人もいる
ゲームマーケットの常連からは歓迎されている
試作をここで、反響が大きかったら後日一般出展に向けて作り直す、という使い方ができる
ここからはじまって大ヒットしたゲームもある
規定に明記されていないグレーな部分を悪用する人々がいる(年々改善されている)
またそれ以外で気になるポイント。出展数、販売実績、ここからステップアップする出展者の割合などの定量的なことは、よくわかりませんでした。
というのも、一般出展されている方にはベテランが多いこともあって様々な情報を得られるのですが、チャック横丁は量質ともに不足気味。特に出展後の顛末については報告がほぼないようでして。
なのでこのあたり、次回ゲームマーケット会場で視察してこようと思います。突撃インタビューに受け答えてくれる人、いるかな? ピークタイムが過ぎてから、迷惑にならない範囲で話しかけてみたい。
ゲームマーケット・チャレンジ
またもう1つ、初心者が参加しやすいプランが用意されています。その名も、ゲームマーケット・チャレンジ。略してゲムチャレ。
1年ごとにお題が変わり、2024秋・2025春は「36 枚以下のカードのみで構成されたゲーム」です。
専用スペースへの展示と、ゲムチャレロゴ展示が可能、といった点で優遇があるっぽいです。
けど、チャック横丁と違って、専用の販売エリアがあるわけではなさそう。(何種類もゲームを持ってくる方もいるでしょうし、試遊スペースの有無、土日の使い方も様々なので、ひとくくりにはできないのでしょう)
また大きなメリットとして、印刷会社との提携プランが用意されているのがポイントです。
オプションに制限はあるものの、ノウハウを持った印刷会社を使って比較的安価にカードゲームを作れるのは魅力的。初心者が参加しやすい、と記載したのはこれがあるからなんですよ。通常ルートから大量生産で同じ単価にしようと思ったら、けっこうな数を作らなければ(そして売り切らなくては)なりませんので。提携プラン、新規参入者の背中を押してくれそうです。
ボードゲーム 何個売れましたか
チャック横丁へ行くのか、ゲムチャレに挑戦するのか。
それを決めるためにも、もっと知る必要があります。
特に実態と予算に関しては、調べられることは調べ、経験者の声を聞き、現地で感じることが欠かせません。
そこでまずは、出展者の実態について。
はたしてゲームは、どれだけ売れるものなのでしょう。
こちらは先人がアンケートやまとめを残してくれており、ぐぐると記録が見つかります。
販売数
~50:35~45%
~100:20~30%
~200:10%
201~:15~35%
初出展での販売数
~50:50%
~100:25%
101~:25%
ものにより差があったけど、軽くサマってみたのが上記です。
50個、100個に壁がある。
その差が生まれる理由については一言では説明つかないけど、ジャンル、テーマ、アート、宣伝の有無などが特に大きく関わっていそうです。
なお、こんなアンケートもありまして。
ボードゲームの価格は公式サイトに掲載があるのでそこからわかるのですが、中央値がだいたい2,000円です。
そして、その中にあって比較的小規模なゲームにあたる36枚以下のカードゲームであれば1,500~2,000円が妥当、というアンケート結果がこれでした。
つまり?
1,500円で赤字にならないなら、それがよさそうな気がします。
けど問題は、赤字になる場合。2,000円でも売れるのか、といわれると自信が持てない微妙な数字。
結果として2,000円で販売することになるのを許容しつつ、計画段階では1,500円で売れるよう準備するくらいしか、いまは言えないかなあ。
試算してみた①
まずは、横丁。かつゲムチャレ。
カード36枚+取説をチャックインするパターンです。
が、50セットにしても100セットにしても、印刷屋に頼むと単価が700円を超えてしまいます。
ので、クオリティは落ちるけどプリントパックの名刺印刷+B5チラシ+DAISOフリーザーパックを使うのがよさそうです。
そして、それが許されるのがチャック横丁なのです。知らんけど。
すると、100セット作ってコミコミ約30,000円。出展費用5,500円を加えても単価は355円で、なんとかなりそうな気がします。
イラストの手配やプロモーションに10,000円くらいは使えそうなので、工夫のしようもありますね。
また、ここからが重要なのですが、カードの角を丸くするのはDIYを想定しています。DAISOのコーナーパンチを使っているとの先人の知恵をあずかったので、それに倣うというものです。
ただ、この労力が半端なくて、パンチすること3,600枚×4隅=14,400回。仮に1か所3秒だとして12時間。死ぬかも。
四隅が丸いカード印刷、探してないけど、あるものなのだろうか。多少値が張ったとしても、そっちを使いたくなっちゃいます。
試算してみた②
続いて、not横丁。そしてゲムチャレ。
提携先2社をもって、試算してみましょう。
まず1社目、萬印堂。こちら50セットで38,500円。(50セットのみ、というキャンペーンです)
続いて2社目、ポプルス。こちらは50セットなら38,802円から。100セットなら71,192円です。(独断で裏面追加加工を5つ付けてます)
そして出展料。
初日・土曜日が12,100円、2日目・日曜日が11,000円、両日なら22,000円というのが最安プラン。(販売ブースのみ、試遊なし)
また出展の際は1~2セットを展示スペースに(その後寄贈)、2セットをゲーム説明&設営に使い、1セットを予備(欠品対応の備え)にと、けっこうな数が差し引かれます。
といったところで、はい計算。
なお設営費、テストなどのイベント参加費、交通費、人件費はいったん無視。事業じゃなくて趣味なので。ここを気にするようだと作れない。
■パターン1(予算7万円)
価格1,500円で50セット、やってやれないわけじゃない。
でも、ゲームデザインだけじゃなくてアートワークも自分でやる前提になりますね。やれる人は、かなり限られてきそうです。
そして予算的にも、チャック横丁との比較をするのがよさそうです。
と考えると、どちらがよいかはアートワークの方針次第。
ただしチャックで100セット売るのと、小箱で50セット売るのとでは、後者があまりに有利すぎる、という気がします。
■パターン2(予算9万5千円)
価格2,000円で50セット、または価格1,500円で100セット生産すると、ある程度までならアートワークに予算をかけられます。簡単なイラストなら数点外注可能で、イメージボード兼パッケージ、あるいはプロモーション用の動画やマンガの用意もできるかも。
ただし、全部は無理。どれか選んで、最低限。
ここの比較は、上記「ボードゲーム 何個売れましたか」内のアンケートが参考になりそうです。つまり、価格の妥当性。約48%が1,500円を、約35%が2,000円を妥当と回答していた、あれです。
販売数は100と50。価格の妥当性の回答は48%と35%。単純比較で1.37倍、2,000円での販売側が有利です。ので、リスク回避という面では2,000円を選択するのがよさそうです。
ですが、より多くの人に遊んでもらうことで今後の可能性が広がっていくのもひとつの見方。そう考えると、どちらの選択も捨てがたいですね。
■パターン3(予算18万円)
最後にこれ。価格2,000円で100セット生産すると、かなり予算が潤沢に。イラスト、イメージボード、PV、マンガ、ぜんぶいけそう。
ただし予算は跳ね上がります。投資額もだけど、売れなかった場合のリスクを負う覚悟が必要です。
ここで比較になるのは、パターン1と2です。
焦点は、予算。
自信も予算もあるんだぜ、アートにも妥協したくないぜ、というならパターン3を選ぶことができなくもない。
一方でレベル1制作者であること、初出展での販売数が50セット以下の出展者割合が50%いるというデータを重く見るなら、パターン1と2のどちらかで悩みましょう。
◻️出展日についての補足
聞くところによると、ゲームマーケットは初日が本番。前人気が高いゲーム、生産数が少ないゲームが欠品してしまうから、でしょうか。太客はこちらに集中するため、両日出展すると売上が倍違う、なんて話もありました。
ですが一方で、非ゲーマーやファミリーなどのライト層が訪れるのは2日目の日曜日。ゲームの種類によっては、こちらが主戦場になることもありそうです。
といったところで、さて。どちらか一方のみの出展とするか、両日出展とするか。
なのですが、労力はかかるけど1日で完売するなんてミラクルには期待せず、勉強代として両日出展するのが、レベル1の姿勢としては正しいような気がします。
稼げる経験値の質も違いそうですし、何よりも、やってみないと次に繋がらないですし。
次回予告
ベテランの皆さんには「そんなことを考えていたこともあったなあ」という内容かと思われますが、私のような新参者には、一助になるとも思っています。同じ疑問や悩みを抱えているレベル1の皆さんに共感してもらえる内容だったなら幸いです。
というわけで今回は、ざっくり調べたことを軽くまとめてみた、の回でした。脳内に留めておくと突然ハイになって暴走しそうなので、自戒を込めて言語化してみた。のでした。
なお私はというと、いまはまだ材料が出そろっていないのでどのパターンも考慮しつつ、冬の終わり頃には決断できるよう、考えを深めていこうと考えています。
けど、これだけは言えそうな。予算潤沢! なんてことはまず起こり得ないでしょうから、チャック横丁、パターン1、パターン2のどれかに落ち着きそう。
アートワークにめどが立つか、立たないか。目下の課題はそこなので、それ次第での選択にもなりそうです。
と、次回なに書くか、でした。
どうしよ。
試遊会に参加する予定はないし、ゲームマーケットまで日があるし。
模索しはじめたばかりでまだ書ける内容がないけど、今回ワードを連発したアートワークとか。
あるいは、雑談回。思いつきに期待するパターン。
……そして何も決まらないまま、次回へ続く。
これに懲りず、引き続きよろしくお願いいたします。
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