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uenoming18
今日の朗読
私は生まれて初めて、毎日1日の終わりには大切な人に詩を朗読している。
その日の気分で選んでいる。
谷川俊太郎さんの詩を詠むこともあれば、谷川さん他さまざまな詩人の詩を朗読する事もある。
お気に入りは工藤直子さんの「のはらうた」だ。
この詩集は描かれている主人公が、動物か虫なんだろうな、そんな風に思わせるような描き方をしていて、ほのぼのとしていてかわいい。
かまきりが主人公なんだろうなという詩は
「かまをふりかざす」
と言うし
犬が主人公なんだろうなという詩は
「しっぽによびかける」
と言う。
短くてシンプルな表現なんだけど、動物たちのかわいらしい姿が目に浮かぶくらい、自然体で気取ってなくて、小難しいことも書いてなくて大好きな詩集だ。
今日は安倍元首相の突然の訃報を耳にしたので、なんとも言えない気分になった。そして、半日くらい、すごく命について考えさせられた日で、もどかしい気持ちで過ごした。
それで、わたしは「のはらうた」から「いのち」という詩を朗読した。
この詩の素敵だなあと思うところは心臓の事を
「わたしのしんぞうはたくさんこことりたちである」
として、そして
「ふところにだいてとてもあたたかいのである」
と言っているところだ。
あたたかいのだ、私たちのふところは。
ことりのようにふわふわと、
休むことなく動いている心臓があたたかい。
永遠に生きることは出来ないけど、何人たりとも心臓はあたたかい。
だけどこれは当たり前ではないことを思い、毎日1日を終えたことを感謝しなければない。
そう思った。
(MacBook)