見出し画像

ミラー指数?ミラー・ブラべー指数? 六方晶の表記はミラー・ブラべー指数!

 結晶格子中において結晶方向や結晶面方位を表す際に,ミラー指数(Miller indices)がよく用いられます.ミラー指数では単位格子の3つの結晶軸を座標軸にとり,格子定数を基準として整数比で表わします.立方晶など,3つの結晶軸が直交関係にある場合はミラー指数で対称性を反映してよく表すことができますが,六方晶のような結晶軸が120°で交わる結晶格子では,ミラー・ブラべー指数(Miller-Bravais indices)が一般に用いられます.このミラー指数とミラー・ブラべー指数の違いについて,実はちゃんと知っておかないと思わぬ間違いをしてしまうことがあります.
 本記事では,ミラー指数とミラー・ブラべー指数の違いと六方晶系をミラー指数で表わすと何がまずいのか,Copilotに聞きながらまとめたいと思います.


Copilotに聞いてみた

ミラーブラベ指数 と ミラー指数の違いについて説明してください

ミラー指数とミラーブラベ指数はどちらも結晶学で使われる指標ですが、用途や適用範囲に違いがあります。

ミラー指数 (Miller Indices)

ミラー指数は結晶面の方位を表すための指標で、結晶学で広く使用されます。以下の手順で決定されます12

  1. 結晶軸との交点を求める: 結晶面が各結晶軸と交わる点を見つけます。

  2. 交点の逆数を取る: 各交点の逆数を計算します。

  3. 逆数を最小の整数比に変換する: 逆数を最小の整数比に変換し、これをミラー指数として表します。

例えば、交点が (a, b, c) の場合、ミラー指数は ((hkl)) となります。ここで、(h, k, l) はそれぞれの軸の逆数を整数にしたものです。

ミラーブラベ指数 (Miller-Bravais Indices)

ミラーブラベ指数は特に六方晶系における結晶方向や結晶面方位を表すための指標です。六方晶系では、4つの結晶軸 ((a1, a2, a3, c)) を用いるため、ミラー指数に比べて1つ多い4つの指数が使われます3。これにより、六方晶系の結晶面や方向をより正確に表現できます。

具体的には、ミラー・ブラベー指数は ((hkil)) の形式で表されます。ここで、(h, k, i, l) はそれぞれの軸に対する切片の逆数を整数にしたものです。六方晶系では、(a1, a2, a3) の3つの軸が120度の角度で配置されており、これに垂直な軸が (c) です。

ミラー指数とミラー・ブラベ指数の違い

  • ミラー指数: 主に三次元結晶系で使われ、3つの指数 ((hkl)) で表されます。

  • ミラーブラベ指数: 六方晶系で使われ、4つの指数 ((hkil)) で表されます。

例えば、六方晶系の結晶面を考えると、ミラー指数では ((hkl)) で表されるのに対し、ミラー・ブラベー指数では ((hkil)) で表されます。ここで、(i) は (h) と (k) の和の符号を反転させたもの((i = -(h + k)))です。

まとめ:ミラー指数とミラー・ブラベー指数はどちらも結晶の構造や性質を理解するために重要な指標ですが、適用される結晶系や表現方法に違いがあります。ミラー指数は一般的な三次元結晶系に適用され、ミラー・ブラベー指数は特に六方晶系に適用されます。

六方晶系の6つのa軸をミラー指数で表現してください.

六方晶系の結晶軸は、3つの等価な結晶軸 ((a1, a2, a3)) と、それに垂直な (c) 軸で構成されています。六方晶系の6つのa軸方向をミラー指数で表現すると、以下のようになります:

  1. [100]: (a1) 軸方向

  2. [010]: (a2) 軸方向

  3. [-1-10)]: (a3) 軸方向

  4. [-100)]: (-a1) 軸方向

  5. [0-10)]: (-a2) 軸方向

  6. [110]: (-a3) 軸方向

これらの方向は、六方晶系の対称性を反映しています。六方晶系では、これらの軸が120度の角度で配置されているため、ミラー指数を使ってこれらの方向を表現することができます。

六方晶系の6つのa軸をミラー・ブラべー指数で表現してください.

六方晶系の6つのa軸をミラー・ブラベ指数で表現すると、以下のようになります。六方晶系では、3つの等価な結晶軸 ((a1, a2, a3)) が120度の角度で配置されており、これに垂直な軸が (c) です。ミラー・ブラベ指数では、4つの指数 ((hkil)) を使ってこれらの方向を表現します。

六方晶系の6つのa軸方向

  1. [2-1-10]: a1軸方向

  2. [11-20]: a2軸方向

  3. [-12-10]: a3軸方向

  4. [-2110]: -a1軸方向

  5. [1-120]: -a2軸方向

  6. [-1-120]: -a3軸方向

これらの表現は、六方晶系の対称性を正確に反映しています。ミラー・ブラベ指数を使うことで、六方晶系の結晶方向や面方位をより直感的に理解することができます。(Copilotの解説終わり)

図で比較すると分かりやすい

 上記のように,六方晶系のa軸はミラー指数とミラー・ブラべー指数で表記方法が異なり,ミラー指数でa軸を表現する場合,[100]だったり[110]だったりします.また,ミラー・ブラべー指数で[2-1-10]と表わされる方位はミラー指数で[2-10]とはならないため,単純にミラー・ブラべー指数の(i)が省略されている訳ではないことが分かります.
 ではm軸をミラー指数で表現するにはどうしたら良いでしょうか?また,X線ロッキングカーブで(102)反射が良く用いられますが,ミラー・ブラべー指数で表記すると(10-12)反射でしょうか?(11-22)反射でしょうか?・・・ミラー指数を使うとややこしくなってしまいますね.
 ということで,六方晶系はミラー・ブラべー指数で表記するようにしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?