【感想】夢を追う事について【ジョゼと虎と魚たち】
『ジョゼと虎と魚たち』
すごく感動したし、心が震えたし、素敵な映画だった。
何だか浅い感動で終わらせたくなかったから文章で書き起こしたいと思う。
※ネタバレを含んでしまう可能性があります。
ストーリーは、こんな感じ。
生まれつき足が不自由な女の子であるジョゼが、後にお手伝いさんとして
ジョゼ宅で働く事になる恒夫と出会って様々な世界を知っていく。
2人にはそれぞれ夢があるが、その夢には様々な障害があって…
「欲しいものに手を伸ばすのがどれだけ怖いことか」
こんな台詞が劇中に登場する。
夢を追いかけるのには勇気がいる。
苦難を抱えながら、それでも好きな物を追いかけていくには覚悟が必要だ。
でも、最初から手を伸ばすことさえ難しい人もいる。
健常者である恒夫と、生まれつき歩く事が出来ないジョゼ。
卑屈なジョゼは、始めは恒夫に心を開かない。
恒夫は時給がいいバイトだったから、ジョゼ宅で働く事を決めるが
なかなか馬が合わないジョゼに対して辟易する。
一度はジョゼ宅で働くバイトを辞めようとする恒夫。
そんな時、ひょんな事から恒夫は、彼女(ジョゼ)が目指している夢の一端を目にする。その事がターニングポイントとなって、ジョゼは恒夫に少しずつ心を開くようになる。
足が不自由だから、家の外には危険がいっぱいだと幼い頃から教えられて
自由に外出出来なかったジョゼは、恒夫の助けで少しずつ外の世界を知っていく。
そうしている内に、彼女の世界が少しずつ色付いていくのがわかった。
ただ、常夫と仲良くなるにつれ、彼女は健常者と自分とのギャップに苦しむ事になる。
「ええなぁ、お前は好きな場所に行けて」
そんな台詞が飛び出してしまう事もあった。
恒夫にも夢があった。
彼はコツコツと努力を重ねて、順調に夢に向かってステップアップしていた。
だけど、彼にも困難が降りかかってしまう。
「欲しいものに手を伸ばすのがどれだけ怖いことか」
ジョゼのこの言葉の意味を、彼も身を以て知る事となる。
人生には、幸運も不運も急なタイミングで訪れる事がある。
もしくは、生まれながらに不運と感じる境遇に立たされている人もいる。
みんながフェアじゃない世の中で、周りの環境もどんどん変化していく。
そんな中で自分を信じて夢を追いかけるのか、それとも諦めるのかは、
結局自分に懸かっている。
その夢が自分にとってどれほど重要であって、身を削ってでも掴み取っていきたいのかは、自分にしか分からない。
時にはその夢に手を伸ばす事さえ出来ないかもしれないし、
手を伸ばす事すらもを恐れてしまう事だってあると思う。
そんな時に誰かが光を与えてくれたら、きっと人はまた飛んで行ける。
恒夫はジョゼに、彼女が知らないたくさんの世界を見せてあげた。
ジョゼは恒夫に、彼がまた自分を信じられる勇気を与えた。
支えてくれる人がいる素晴らしさを、2人の姿から学んだ。
一度欲しい物に手を伸ばす事が怖いと知った2人が、
お互いを助ける存在になる過程はすごく素敵に映った。
形や方法は何だってよくて、夢や目標に向かって前に進む勇気を与えられる事は、
本当に価値があって素晴らしい事だと感じた。
僕もあわよくば、誰かのそんな存在になりたいと感じた。
大きな夢を語ると、馬鹿にする人がいる。
そんなの叶いっこないと、鼻から諦めを強要してくる人もいる。
だけど、誰かがその夢を応援してくれてきっと出来ると背中を押してくれたら
もしかしたらその人の叶えたい夢は叶うかもしれないし、
その夢は世界を変えるかもしれない。
1人でも多くの夢追い人が、自分を信じていられる世界が来たらいいなと思ったし
それを支える仕事がしたいなと思った。
キャラデザインも絵も音楽も本当に素敵だった。(個人的にはジョゼの髪型とファッション、関西弁がドストライクでした笑)
ジョゼと恒夫がどんな夢を描いているのか、そして2人の人生がどんな形で交わるのか、ジョゼの髪型はどんな風に可愛いのか、是非とも劇場でご覧になっていただきたい。
夢を持つって素晴らしくて、とりあえず明日も前向きに生きてみようかなって思える素敵な作品だった。
また見たいなぁ。
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