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「君にはもう新しい世界を作る力がある」(上)の物語を紹介して行きます(3)

天才君はじ~っと聡の目を見たままでいた。でも、聡にはその目が聡の目に焦点があっていないことが分かっていた。何か別のものを見ていた。やがて、天才君が口を開いた。 「設計は経験だよ・・・経験から想像して作り上げることと言った方がいいかな?」 とニヤリとした。鉄平が聡の顔を見た。 「山下、お前、設計したことがあるのか」 「鉄平だって毎日しているだろう。それとも、お前は設計しないで一日を生きているのか」 「なんだよ、山下は天才君だから・・・俺にはちっとも理解できない」 「

    • 「君にはもう新しい世界を作る力がある(上)」の物語を紹介していきます(2)

      「はい」 鉄平がまっすぐ先生を見上げて答えた。鉄平の目には涙が光っていた。鉄平は自分の軽率を心底恥じて、俊子に済まないと思っているのだろう。こういう純な気持ちをストレートに体と心で感じる鉄平はかけがえのない奴だと聡は思う。津田先生は大きな掌を広げて両端の鉄平と恵の上腕に掛けて六人の教え子を自分の腕の中に抱きこんだ。そして普段のあの笑っている目で、一人一人の目を上からのぞきこんで、 「よし、教室に戻ろう」 と言って、皆を靴箱の方に押し出す風にして、自分は職員室の靴箱の方に行った

      • 「君にはもう新しい世界を作る力がある(上)」の物語を紹介していきます(1) 

        第一章 津田先生の叱責(小学四年生の冬)  津田先生が教室に入ってきたのに気付かなかった。 「そこの六人、渡り廊下の前に並びなさい」 と言って先生は自分から先に教室を出て、振り向きもせず、廊下を職員室の方にどんどん行った。きっと先生の靴箱に脱いだ靴を履きに行ったのだろうと聡は思った。津田先生は六人が並んでいる渡り廊下の前に来ると、荒々しい声で言った。 「ここに並んで」 「一列に、もっと速く」 聡は反射的に先生を見た。見たこともない厳しい表情だった。いつもは目が笑って、

        • 「君にはもう新しい世界を作る力がある」の紹介

          この物語の中では、聡、鉄平、健、碧(へき)を中心として小学四年生がのびのびと大きくなって行く。小学生が多数、登場するが、どこにでもいる普通の子のように見えるし、少し違うようにも見える。碧は小学一年生の頃から勉強せず、雀の子を育てることに熱中していた。皆は頭が弱い奴だと思いこんでいた。しかし、ときが経つにつれ、皆は人のことを気にしないで生きる碧を羨ましく思うようになった。あるとき、先生が詩を作ったことがある者はいるかと聞いた。碧だけが詩を作ったことがあると言い、生きることが詩を

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        • 「君にはもう新しい世界を作る力がある」の紹介

          君にはもう新しい世界を作る力がある

          早速ですが、私の最近の著作を紹介させていただきます。 本の題は「君にはもう新しい世界を作る力がある」 で、amazonの電子書籍として出版しました。数年前、今、自分にできることは何かと考え、子供に伝言を残そうと決め、この物語を書きました。教条的にならず、子供の日常にす~っと融合する世界を作った積りですが、どうでしょうか。多くの多感な小学生から大学生、子育て真っ最中の大人にこの物語を読んでもらって、自分のやりたいことを果敢にやって、のびのびと自分の人生を生きる子供を増やしたいと

          君にはもう新しい世界を作る力がある

          自己紹介

          今まで新事業推進の方法論を探り、基礎研究の商品化や事業化の物語作りを仕事としてきました。この仕事をしていて、人の頭脳の底知れぬ力を感じました。この頭脳を使って新しいものを生んでいる人が多いのを知りました。一方、頭脳には自分が気づいてもいない力が眠っているのを知らずにいる人も多いのを見ました。大事なことは、試しに、何でもいいから何かを始めてみることだと思います。そんなことを考えて、最近では、色々気づいたことを本にすることを始めました。どうぞよろしくお願いします。

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