新曲「ミライ」公開によせて
4月20日、初の谷ですソロ曲を公開します。
「毎日同じような仕事を繰り返していて、未来が見えない。」
「はやく転職したい。」
後輩がそんな声を漏らしていたけれど、僕も全く同じ気持ちで、何も返す言葉がなかった3年前。
通勤の車中では、父親から譲り受けた井上陽水のCDをずっと聞いていました。
そのとき「闇夜の国から」という歌に出てきた一節。
「船出の理由を確かめ合うこともなく 未来と将来の区別もつかないまま」
未来と将来の区別、、、?
グーグルという公共機関を使って調べてみると、どうも「未来」は受動的なもので、「将来」は能動的なものらしい。
なるほど。じゃあこれは未来じゃなくて将来の話だ。
って、それを知ったところで、将来どうなりたいかなんて描けないんだよなぁ〜。
ただ「転職」というきらびやかな二文字に無限の可能性を感じて、動き出すこともないまま憧れている。
そんな時、「なんか谷さんって、先輩の〇〇さんに似てるよね・・・」と言われていた〇〇さんが休職から戻ってきた。
初対面の〇〇さんは確かに僕に似ている雰囲気があった。
話を聞くと似たような大学に通っていたらしい。
かなり親近感が湧いた僕は、ちょっと考えれば分かるようなことも〇〇さんにわざわざ聞いたりしていた。
頭悪いくせになんか調子乗ってる後輩と思われていたと思う。
そして、その1カ月後に〇〇さんは転職していった。
理由は、この会社の環境は彼には合わず、もっと自分らしく働ける職場を求めて・・・というふうな話をなんとなく聞いていた。
「まぁ、休職してたしね」「そうだと思ってた」みたいな周囲の声。
周りの反応なんてそんなもんか。
同時期に同期がメンタルを病んで休職してしまい、僕はどことなく孤独だった。
(孤独だったのは地元を離れて島根で働いていたから、というのもあります。)
そして考える。
休職するほどこの仕事が向いていないわけではない自分にも、
「もっと自分を出せる職場」とか「自分の良さが活きる職場」とか、なんかそんな夢のような場所があるんじゃないか。
そう思い描きつつ過ごしていたその頃、町中のカフェ(島根にもあるんだなぁ、町中のカフェってのが)で私はバッタリ〇〇さんに遭遇した。
居ても立っても居られず、あいさつもそこそこに私は
「転職して、どうですか!?」と聞いてみた。
彼は落ち着いた口調で僕を見た。
「転職したいんですか」
そして、やや間をおいて、こう語った。
「環境を変えたって、問題は変わらなかった。自分の良くないところが別の形で突き付けられるだけ」
そ、そうなの・・・?
心の中の松江城の石垣がガラガラと崩れた。
「結局、向き合わなきゃいけないのは自分ですよ」
先輩の言葉がいまでも胸に刺さっている。
そして社会人7年目になった今、1年目と同じ内容で注意されている。。。
あれから3年経った今も僕は自分のダメなところを変えられもしないまま、将来像も描けないまま、いろんなことに追われて生きている。
けれど未来は向かい風みたいにやってくる。
未来は今の延長だから、何かを変えたいなら自分が変わらなきゃいけない。
面倒臭がらずに、自分がどう生きたいのか向き合って考えてみる。
それができれば、あやふやなミライは確固たる未来になるのかもしれない。
いずれにしたって答えは自分の中にしかない。
そんな歌です。
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