第1回鹿児島一箱古本市を開催します。
【一箱古本市】というものをご存じですか?
東京は谷中・根津・千駄木で2005年から行なわれている「不忍ブックストリートの一箱古本市」が発祥の「一箱古本市」。
「一箱古本市」では、一般の方(もちろん本が好きな人が多い)が古書店店主となって、(だいたいは)街のお店の軒先をお借りして、自分の本棚にある本を古書として販売する。屋号をつけたり、POPを作ったり、オリジナルのスリップ(売り上げを管理したり、どこの商品かわかるようにしたりする「しり」のような紙)を作ったり、一日だけ、段ボール一箱分だけの古本屋さん気分を味わう。
現在では全国各地で行われている古本市である(2022年2月27日現在、全国で39か所での「一箱古本市」が予定されている)ほど、活況を呈している。
「ソトノバ」さんの特集記事「ソトでの「好き」が、まちをつくる。谷根千・不忍ブックストリートの「一箱古本市」」
ということで、私も面白そうだと思ったので「第1回鹿児島一箱古本市」を開くことにした。さっそく、不忍ブックストリートさんに許可を得て、チラシを作った。
ところが、鹿児島でも過去、そして現在進行形でも、「一箱古本市」をやっている(やっていた)という情報が入ってきた。そういえば、私も見に行ったことがあるな(本も買ってたし)。
一番古いウェブ上の記録では、2009年4月、鹿児島県のかごしま近代文学館かごしまメルヘン館さんが一箱古本市をおこなったという記録があり、また、その中に、「一箱古本市を昨年鹿児島で初めて開催された更紗屋文庫さん。」という記載がある。ということは、2008年が鹿児島で「一箱古本市」がおこなわれた最初ということになる。また、現在でも、かごしま近代文学館かごしまメルヘン館さんが毎年GWの時期に開催されているようだ(そういえば、2年前に行った)。今年は未定だけど。
まあ、「第1回」ではなくなってしまったようですが、チラシを作りなおすのが面倒なので、このまま行くところまで行くことにする。
ところで、「一箱古本市」の魅力って何だろうか?
これだけ、全国的にも広がりを見せている取り組みなので、そこにはきっと大きな魅力があるに違いない。
私の考える「一箱古本市」の魅力。
1、本が好きな人ならだれでも、古本屋さんになることができる
子どものころの夢が「本屋さん」だという人も多いだろう。大人になってからも「古本屋さんになりたい、やってみたい(けどなかなか)」という人も多いのではないだろうか。そんな人が、一日だけ、段ボール一箱分だけだけれども、古本屋さんになることができる。そんな、夢を疑似的にかなえることができるイベントであること。
2、出店者と来場者が、気軽に本についての話ができるところ
そこに集う人は基本的に本が好きな人のはずで、そこにある本のことだけでなく、以前読んだ本についての話や、本にまつわる思い出、思いを語ること。それが自然に空間であれば、出店者も来場者も、両方楽しく過ごすことができる(のではないか)。
3、次は自分も出店してみたい、と思えること
出店者が気さくで構えない人たちであれば、自分も本棚にある本を見返してみたり、出店するときには、どんな用意をすればいいのかというシミュレーションをすることすら楽しいかもしれない。遠足の前日のワクワクのような。
他にも、もっといっぱいあると思うのだけど、少なくともこれらをかなえるために、主催者として私がやらなければならないことがあると思うのです。
1、出店者に対して、気軽に出られるような設計にすること
出店へのハードルが高くなると、出店してみようと思う人が減ってしまう。出店者のことを思えばこそ、「はっきり言って、儲かりません」といった、本当のことも伝える責任があるだろう。
2、来場者に対して、フレンドリーであること
中には、見るだけで買わない人や、出店者や出品物への文句を言う人も出るかもしれない。それでも、来てくれたことには変わりがなく、至らないことへの謝罪や配慮をしなければならない。もちろん、出店者へのフォローも。
3、本を媒介として、会話が生まれるような工夫をしなければならない
今回は無料でコーヒーをお出ししようと思います。祝日の昼下がり、訪れた本にあまり関心が無い人や、お子様でも楽しめるような工夫を考えていきたい。
4、告知などちゃんとすること
知られなければ、出店者も来場者もいないわけで、ちゃんと告知などすること。できれば、出店者の方にもSNSなど使って「出ます、来てね」と言っていただけるとうれしい。
5、続けること
次は出店したい、と思う人がちゃんと出店できる場所を、続けて作っていく必要がもちろんある。来場してくださった方が、今回は買う本は無くても、次回も来ようと思っていただけるような配慮も。
今回は、主催をするのが初めてということもあり、ちょっと狭い場所ではありますが、実験的に名山町のバカンス前だけでおこないます。出店料も取りません。
鹿児島にもっと「一箱古本市」が根付き、多くの人が楽しく訪れるような場所にしていきたいと思っています。
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