本当は「どんな考えの人とも話をしてわかりあおうとする」努力が必要なこともわかってはいるんだけど。

1年くらい前から、「東京(県外)から来た人お断り」のお店に、積極的に行かないようにしている。


それぞれのお店に、例えば、「常連さんを守りたい」「従業員を守りたい」という気持ち(考え)があり、それはもちろん尊重している。そのお店やお店の経営者が悪いわけではもちろんない。


そういったことを掲げるお店の中には、私が好きなお店もあって、現在行けないでいることには残念な気持ちも私にはある。できうることなら、そんなこと考えること無しに、行きたいお店に行ける日が来ることを待ち望んでいる。


それでも私がそのようなお店に行かないのは、このような理由だ。


まず、「どこかから来たから感染者の可能性が高い」ということが、正確かどうかわからない、正確かどうかわからないのに、「どこから来たか」で人を選別しているということ。


お店には、もちろんくるお客さんを選ぶ(それが、積極的にか、消極的かの違いはあるけど)権利があり、そのことには私が何かを言う権利は無い。


ところで、少し前に「中国人=犯罪者」といった正確でない認識を持っている人がいた。確か、ピッキング犯罪とかが多かった時に、そんなことを言っている人がいたように記憶している。もちろん、「中国人=犯罪者」というのは偏見であり、日本人にだって犯罪者はいるし、中国から来た人にも、いい人がたくさんいる。


「日本でない国から来た人」は比較的見分けがつきやすい。だから、差別や偏見の対象になりやすい。
「県外から来た人は見分けがつきにくい」だから、どこから来たかで選別する。


もう一度、別の角度から。


私は「困りごとのあるあらゆる人を支援する」活動をしている。そこでは、その人がなに人であるかとか、どこから来たのかとか、過去に犯罪を犯したことがあるかどうかも区別しない。


もちろん、それは、私の方針であって、お店の方針ではない。


でも、どこから来たかで人を選別するお店を、私が支持したら、その人たちは私のことを偽善者だと、噓つきだと認識するだろう。「あいつは、人を選ばないといいながら、人を選んでいるお店に行っている」と。


「誰が悪いわけでもない」のであれば、少なくとも私にはその点に関しては「人を選ぶ権利は無い」(こう書いたのは、私だって「こういう人は嫌だなあ」と思うことはあるということだけど)。

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谷川勝彦(たにかつ)
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