親御さんのお茶当番が原因で野球少年が減るなんて悲しすぎる
20年前、私は野球少年だった
私は小学生の時スポーツ少年団のソフトボールクラブに所属してました。
超強豪チームで、中・四国大会優勝、年間20試合ほどある大会での優勝率が7割を超えるチームでした。
小柄ながらも自分の役割に見合うポジションでレギュラー、副キャプテンとしてプロ野球選手になることを夢見てプレーをしてました。
今振り返ると、人生で最も時間と想いをかけて取り組んでいたものかもしれません。練習も以下の通りかなりハードで、チームメイト以外の学友と遊ぶことなんてほぼありませんでした。
・土日練習に加えて、近くの公園で週3日の練習
・夏休み期間は休みが2日間だけ
ただ練習時間が長いだけなら強豪チームなら当たり前かもしれませんが、今の時代から考えるとちょっとあり得ないと思われるような環境出もありました
・練習中に水を飲める機会はほぼない
・少しでも怠慢なプレー(監督からそう見える)をすると、漏れなく全員並んで平手打ちにケツバット
・監督/コーチがどんな職業やバックボーンが。。。
自分でもよく続けたなと今更ながらに思いますが、当時はそれが当たり前で理不尽だなんてみじんも思っていませんでした。
そして父はソフトボールチームのコーチに
これだけ厳しい練習量なのでコーチ陣にとってもかなりの負担であったことは間違いありません。
実際コーチもだんだんと不足していき、練習を見に来てくれていた私の父がコーチとして参画することになりました。
父は学生時代はバスケ部員で、野球はキャッチボール程度にしかできないにもかかわらずコーチとして教える側になったのです。
何の知識もない父が教えられることは基本的な所作と根性論だけでした。
スポーツは全般的に漠然と練習してもうまくなりません。教えられる子ども側にとってはあまりいい状況ではなかったかもしれません。
少年野球人口の減少が止まらない。10年前の2/3までに…
さて、野球を取り巻く現状に目を向けてみると、少し悲惨な実態が浮かび上がってきます。野球少年の人口が年々、すごい割合で減少しています。
【高校生硬式野球人口】
【中学生軟式野球人口】
【小学生ソフトボール人口】
そもそも少子化で子供人口が減っていますが、減少率で比べてみても野球離れが加速していることは明白です。
日本で最も人口の多い人気スポーツであった野球が、どうしてここまで衰退していまったのでしょうか。
原因は?プロ野球選手になることの魅力がなくなっている?
少年野球人口が減っているのは、最終目標としてだれもが目指すプロ野球選手になることに魅力がなくなったからでしょうか?
私の考えではそれはあまりないのではないかと考えます。
なぜならプロ野球選手は他のスポーツと比べて、なりたいと思える材料が明確にあるからです。
・プロスポーツとしての認知度が高い
・年俸が高く、その割合も多い(公表されるのでイメージが沸きやすい)
・選手生命が長い
・アナウンサーや有名人と結婚しやすい
原因は親御さんへの負担?
冒頭で、私は副キャプテン、レギュラーでプレーしていたと書きましたが、実は実力や人柄で、適正に選ばれたわけではありません。
練習には必ず担当になった親がお茶当番として参加するルールがありました。お茶当番とは子どもたちが安全に練習できるように飲み物を出したり、体調が悪い子供の手当などを行う仕事です。
実態として、私のチームではコーチ陣への食事手配や肩もみなどの、世話係もさせられていました。
前述の通り、かなりの練習量だったため担当が回ってくるのも早く、予定通り対応できる親はほぼいませんでした。
その中で私の母親はお茶当番かどうかに限らず全練習に参加し、お茶当番もきっちりとこなしてくれました。
父親も隔週で行われる大会のたびに、チームを大会会場まで早朝から車で連れてってくました。4人家族なのに、7人乗りの車に買い替えたのもソフトボールが理由でした。
そんな親の献身的なサポートがあり、私自身ソフトボールに打ち込めたし、監督・コーチからの信頼を獲得してくれたので副キャプテンに任命され、レギュラーとしてプレーし続けられたというのが実態なわけです(悲しいかな…)
今、自分が親の立場になって考えると、両親には本当に頭が上がりません。自分にはそこまではできないとさえ思えてしまいます。
私の親がしたほどまではできないとしても、少なくともある程度お茶当番などのサポートがこなせないとチームにいられないといった事情のチームはいまだに多くあります。
単に子供の野球に対するモチベーションだけでなく、家族全体での体力的、金銭的な覚悟がないと野球は続けていけないのが現状の様です。
これから野球が再び魅力を取り戻すために
もちろん、原因はこのお茶当番だけではありません。道具費用や遠征費などの金銭的な問題や、その古めかしい体質のイメージから敬遠している親もいることでしょう。
また野球優先になりがちで、学業との折り合いがつけづらいといったイメージもあるかもしれません。
まずは、「子どもはやりたいのに、親がやらせたくない」といった状況の排除が急務であると考えます。
その大きな要因となっているだろうお茶当番や親コーチの仕組みを何とか改善することができれば、少年野球人口の減少にストップをかけられるのではないでしょうか。
お茶当番も兼ね、コーチをスポットで採用できる仕組み
コーチは、現状では一部を除き、ボランティアで行ってくれているケースが多いです。しかし、足りないコーチ陣を子どもの親から補填していくことは、将来野球選手を目指して全力で取り組んでいる子供にとってしても決していいことではないと思います。
将来プロ野球選手を目指している子供たちのスキルを向上させるためにも、知識・経験のある人がコーチングすることが重要です。
しかし、コーチをやってくれる野球経験者を見つけることは、現状かなり困難です。人口の多い都市部ならまだしも、地方ではさらに難しいでしょう。
仮に教えれる人がいたとしても、最初から週2日などのコーチを受けようと覚悟をもってきてくれる人はなかなかいません。
株式会社Co-Stepでは「spoit」というスポーツレッスンのCtoCサービスを開発しています。
野球経験者でコーチができる人と、そんなコーチを求めている人やチームをマッチングさせるサービスなのですが、この問題に対するサービスの利点は大きく2つあると考えます。
■コーチ側が日時などの条件を設定できるので、教えれるキャパシティ分だけで成立する
■コーチングに自信がない人でも、子供の体調ケアもできるお茶当番も兼務として登録すればマッチングできる可能性がある
夢のスタートになるスポーツ少年団、部活動を応援したい
少年野球について触れてきましたが、何も野球だけに限った話ではないと思います。
どんなスポーツでも、教えれるコーチ、子ども、サポートする親御さんがそろい、子どもたちがその競技の技術を磨き、将来プロスポーツ選手になりたいという夢をかなえられる舞台を整えることが私たちのミッションだと思っています。
■co-step inc.とは?
「感動への一歩目を共につくりつづける会社」
スポーツ・将棋の聖地、千駄ヶ谷に本社を構える創業6年目のスタートアップ企業。創業以来、融資ゼロ・出資ゼロ・黒字経営を続けることで自らの会社をキャリア教育の実験室と置く。マーケティング/クリエイティブ、メディア事業を通して「進路を共に一歩踏み出すキッカケを」の実現を目指す
■メディア事業
・初心者女子向けスポーツメディア「spoit-media」 、スポーツレッスンのCtoCサービス「spoit-match」開発中
・「日本食といえば?SUSHI・TEMPURA・BQ」B級グルメ紹介SNS「TOKYO BQ」の運営
■マーケティング/クリエイティブ事業
全職種の60%をひとりのディレクターが担当することであるべきメディア設計を描いたマーケティング戦略と、媒体に固執しないユーザーに最も最適なクリエイティブを行うディレクター集団。