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マーケターの働き方改革を考える

働き方改革という言葉は、ここ数年で日常的に使われるようになった。単に労働時間削減が目的になってしまっているケースも多いが、本来は「仕事のやり方を変えて、生産性を上げる」という側面もあるはずだ。そして、生産性の高い働き方なんてものは、職種によって変わってくる。

今回は、自分が考えるマーケティング従事者(以下、マーケター)の働き方改革について書いてみたいと思う。決して労働時間を削減するとかそういう話では一切ないし、心構え的な話も多いかもしれないが、現マーケターや、これからマーケティングの仕事に携わろうとする人の刺激や参考になれば嬉しいです。

マーケターが「生産」しているものは?

「生産性」という言葉はきっと、製造業から生まれた考え方だと思う。1時間に製品何個作れたか、みたいな。だから製造現場にとって「生産性を上げる」というのは分かりやすい。今まで1時間に10個作っていたのを、どうやったら15個作れるか?という発想だ。

では、マーケターにとっての生産性ってなんだろう?

当然ながら、1年間にいくつ新商品を企画できるか、ではないはずだ。だってその新商品が売れなかったら意味がない。私は、どれだけ多くの価値を生み出せるか、だと思う。マーケターが生産するものは価値だ。もちろんそれはお客様が感じる価値であり、最終的には会社の利益につながる価値ということになる。


マーケターの仕事場って、どこだろう?

馬鹿みたいな見出しだが、私自身かなり意識していることなので、どうか読んで欲しい。もしあなたがマーケターだとして、仕事をしている時間の何%、オフィスで自分の席に座っているだろうか?

マーケターはオフィスワーカーだから、オフィスでパソコン開いてメールチェックしたり、会議の資料を作っていれば、あっという間に時間は過ぎていくし、何となく仕事をした気になれる。
でも先ほど書いた通り、マーケターが生産するのは「価値」だ。その自分の席に座って今日こなした仕事は、「やらなきゃいけない仕事」だったかも知れないけど、「何かお客様に価値を生み出すための仕事」であったのか?

会社にもよるだろうが、マーケターには雑務(あえてそう呼ぶ)が多い。メーカーの場合、営業やら工場やらお客様相談室から商品についての問合せが毎日のようにやってくる。トラブルの報告なんかも。商品の売行きもレポートしなきゃいけないし、本当にたくさんの仕事がある。

でも、オフィスに座って、そういった目の前の雑務に対応しているだけで、価値を生み出していなかったら、それはマーケターとして役割を果たしていないんじゃないだろうか?

マーケターの本当の仕事場は、きっとオフィスじゃない。


価値を生み出すには、インプットしない始まらない

私自身は、マーケターにとってオフィスは「アウトプットの場」だと思っている。でも価値のある企画をアウトプットするには、インプットが必要だ。
・市場に出て他社の商品やサービスを見る
・流行っているものを体験してみる
・セミナーやカンファレンスに参加する
・ニュースに目を通す
・本や雑誌(宣伝会議系など)を読む
・他社の人と会って情報交換する

などなど。
世の中のマーケティングの潮流が理解できるし、他社の事例や商品はヒントになるし、お客様のインサイトを知ることはコンセプトメイクに直結するし、色んな強みをもった会社と繋がっておくと、困ったときに相談できる引き出しが増えていく。

結局、オフィス以外すべてがインプットの場。つまり明確な仕事場など存在しない。それがマーケターという職種じゃないかと思っている。これ、周りを見ていて思うけど、マーケティングの仕事をしていても、こういうインプットをやっていない人が余りにも多い。でもマーケターとして生きていきたいなら、絶対やったほうがいい。絶対やったほうがいいですよ!

マーケターの働き方改革

長すぎる前置きだったけど、マーケターの働き方改革について。ここまで読んでいただいた通り、労働時間云々の話ではない。マーケターが取り組むべき働き方改革のゴールは、「いかにインプットの時間を増やせるか」だと思う。

何も意識していないと、常に降っては湧いてくる「目の前のやらなければいけない仕事」をこなすだけで一日が終わり、一週間が終わり、一か月が終わってしまう。つまり、インプットはゼロ。

これはあくまで私自身の話だけど、労働時間の20%をインプットのために使うように心がけている。1日単位ではなく1週間単位で考えることが多くて、つまり週5日のうち丸1日をインプットに充てるということ。

で、そのために、価値を生まない「雑務」にかかる時間を圧縮することを考える。そもそもやる必要のある仕事なのか、仕組化して時間短縮できないか、標準化して他者・他社へ委託できないか、など考える。(さすがにHow to はここでは省きますが)

「雑務」の時間を圧縮して、なるべくインプットの時間を増やす。そしてそのインプットを元に、世の中にとって価値のある商品やサービスを企画し、実行していく。これがマーケターの目指すべき働き方改革の姿だなと、私は思います!

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