写真でふりかえる第7期 文字塾展
谷です。文字塾、第7期の展示を見に行ってきました。
❓文字塾
「一年をかけて自分の仮名(平仮名、片仮名)をつくり、フォント化して、その成果を展示会で発表する」塾です。
講師は游明朝や游ゴシックでおなじみの鳥海修さん。
会場は人形町vision's。
平日でもひっきりなしに人が来ていました。
入り口には展示作品を掲載した小冊子と、たくさんの書体見本があります。ものすごい量です。
壁には各書体2パネルで説明があります。
組見本はそれぞれ書体のコンセプトに合わせたデザインがされており、パッと見でコンセプトが伝わってきます。
例えば綿引さんの「文愉仮名」は、「読書を気軽に愉しむ本文用書体」ということで、紙の本や電子書籍を意識した組み見本になっていました。
説明パネルと同じか、それ以上に熱量を感じるのが「制作ノート」です。
それぞれの書体について、下書きや、ラフなアイデア、そのとき考えていたことが、作者によって一冊のファイルにまとめられているものです。
冊子は撮影禁止なので載せられませんが、めちゃくちゃ面白いです。
どういう経緯でこのデザインに落ち着いたのか、下書き段階ではどういうデザインだったのか、書体制作を追体験することができます。
気になった書体
個人的に気になった書体をざっと振り返ります。
✏️ 凛
四角形のボディにとらわれない「り」「し」がきれい。制作ノートでは、高野切の写しが挟まれていたり、筆で書いたラフがあったりと、やりたいことが明確に伝わってきました。一つの字に複数のバリエーションがあるのも今風です。
✏️ かける
BL小説を組むための書体。個人的にこれが一番好きでした。急いているような右肩上がりの筆致、硬質な印象を受けるエレメントが美しい。BL小説向けというコンセプトを先に聞いていたからか?なんとなく若い男を連想させる書体でした。文字のちょっと骨ばったような印象が、青年の鎖骨とか、手の甲の筋を感じさせます。
✏️ つづら
空気を孕んだような、やわらかいカーブが魅力的。ふところがたっぷりと取られていますが、かといって重くは感じず、軽やかに見えるところがすごいと思いました。
✏️ コンデンス明朝
すごい完成度の高い書体がある...と思ってじっくり見てしまいました。こういった縦長の明朝は、大正ロマンのような古臭さが出てしまうのではと個人的に思っていたのですが、そんな匂いは一切しません。モダンでしなやかな書体でした。
✏️ ゴシカ
とにかく造形が面白い。ブラックレターを思わせるコントラストがきれいです。可読性に媚びすぎず、形の面白さが前面に出ているのも気持ちがいいです。漢字が多い文章の方が読みやすいのかも......と思いました。制作ノートにあった、カリグラフィペンでの下書きもかっこよく、しびれました。
他にも面白い書体がたくさんあるのでぜひ見にいってみてください。全体通して、大満足の展示でした。
参加するには?
展示を見て、文字塾に参加したいと思った方もいると思います。
文字塾は定期的に塾生を募集しているので、鳥海修さんのtwitterをフォローしておくといいかもしれません。(既に第8期は募集終了)
応募には課題提出が必要ですので、文字塾のブログをみて、過去の課題を確認しておくのもオススメです。
👉第八期文字塾の募集について
参考
文字塾 http://www.mojijuku.jp/
文字塾展7期特設サイト http://mojijuku.jp/ex/07/