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金子みすゞの詩『色紙』について

一般的には晴れが良いお天気とされていますが、みすゞは《くもり》が好きだったんじゃないかな…。
でなかったら、こういう詩は生まれなかったと思う。
私の個的な感覚かもですが、私は《くもり》が大好きで、晴れの日よりも《光》を感じるんです。
晴れの日は光に溢れ過ぎていて、逆に光を感じないというか。

みすゞの生れ故郷の山口県長門市仙崎にも、命を絶った下関にも港はあるけれど、この波止場は断然下関だと思う。
でもって《白い》鳩って実際にはあんまりいないから、きっと空想ですよね。
それにしても普通こんな空想しないでしょう。
本当にやったら鳩はエライ迷惑で、動物虐待です(爆)。
この妄想の炸裂っぷりが、めっちゃみすゞらしいというか。
空想があんまり楽しそうで、《さみしい》とあるけれど、全然さみしさを感じないのです。
たとえばこの詩のように…

金子みすゞ全集『美しい町』より

《さみしい》という言葉は無いのに、寂しさを感じる詩はいくらもあるけれど、『色紙』にさみしさは感じません。
?も、もしかしてさみしいのはくもり空で、みすゞではないのか?!
うーーーむ、とにかく、この空想をしているみすゞは凄く楽しそうで、そんなみすゞを見ているこちらまで楽しくなってくる。

2023年7月20日(木)のオンラインみすゞ塾では、塾生たちの朗読が、言葉の意味から解き放たれていてとても良かった。

さみしそうに読む人は誰もいなくて、みんな凄く楽しそうだった。
毎回『金子みすゞ全集』を5編ずつ読み進めていて、5編のうち好きな2編を個別練習しているのですが、何と全員がこれを選んだのです!!!
それも、とても意外でした。
この詩は、みすゞ作品の中では全く注目されず取り上げられることはありませんが、私は好きなんです。
一見地味でパッとしないけれど、凄くみすゞらしいなと思って。
この詩を選んだ塾生たちの感性が嬉しい夜でした。

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