パロサント 偽物の見分け方
こんにちは。 五十嵐純子です。
Googleで検索窓に「パロサント」の文字を入れると、候補ワードの中に
「パロサント 偽物」 というのが、だいたい出てきます。
そんなに偽物の不安で検索する人が多いのだろうか? と気になったので
今日は、国内外含めて数十社のパロサントを実際に購入した経験から
① ほんとに偽物は出回っているのか?
② なぜ「パロサント 偽物」を検索する人が多いのか
という2つの点で、私なりに思うところをまとめてみようと思います。
① ほんとにパロサントの偽物は出回っているのか?
私はアルゼンチンタンゴ講師という職業柄 96年から何度も南米に行っており、ホテルのロビーやパウダールームでパロサントを見かけたことがありました。
その後、2015年に南米アルゼンチンに行った時、現地の友達から「すごくいいよ」とパロサントを勧められました。
以来6年間、家で使い続け、これは本当に良い と思ったので、いよいよ自分で販売することにしました。
6年前はまだ日本で扱っている店舗がほとんどない状態でしたが、今ではぐぐーっと増えました。
私が自分で販売するにあたって、まずは市場を確認したく、国内外20数社の店舗から実際に、個人店舗やメーカー、楽○市場 や Ya○hh や Amaz○n や、メル○リなどなどから購入してみました。
海外では中国・韓国・イギリスからも購入してみました。
で、私の思う結論
パロサントに偽物はたぶんないと思うよ
です。
ただ、状態の良し悪しがあります。 すごくあります。
1つに言えるのは湿気の管理です。
南米の非常に渇いた土地に生息するパロサントは、湿度に弱いです。
湿度の高い時期、雨の日に入荷した、そんなことで、香りが飛んでしまうのが早いのですが、それを・・
これは 私の想像ですが
ビニール袋に入れて管理している店舗
が、多いのではないかと思うのです。
香りの薄いパロサントが届いたとき、初めての方にしてみれば
ただの木じゃん
と思われて仕方ないでしょうね(笑)
確かにただの木ですもん。
あと、1回目に買った時と、2回目に別の店で買った時では香りが薄かったとか、これも 買った時期が悪かったのでは? と思われます。
冬の乾燥した時期に購入するのと、7月の湿度100%なんて時期に買うのでは、場合によっては(店舗の保管方法や入荷時期で)違いがあると思うのです。
状態の良し悪し、ということでは、あるところでは削った状態のものが届いたことがあります。
店舗側の気持ちもわかります。 在庫を抱えていて、保管している中で、注文が入った時には、すでに香りが飛んでしまっていたりすることもあるかもしれず、せっかくなら手元に届いて開封した時に、ちゃんと香りを楽しんで頂きたい、という思いから、削ってお送りしたのだと思われます。
パロサントは削ればまた香りが立ちますから。
ですが、きちんとお客様に それをお伝えしてゆく啓蒙も必要かな、と思いますけどね。。。まだ馴染みが薄いものだけにね。。
これだけ 「香り」を謳っているだけに、難しいところだと思います。
意外にも(なんて言ったら悪いけど) イギリスのある店舗から購入したパロサントがすごく良かったです。現在 ヨーロッパでもパロサントは大人気ですが、当然ペルーかエクアドルあたりから輸入していると思われます。
なので、現在世界あちこちで流通されてるものは、元はどれも同じくペルーとかなのですが、 やっぱり、その土地の気候と管理法で違いが出るなぁ、というのが私の率直な感想です。
当店では珪藻土の容器に、専用の乾燥剤を入れて保管し、少量ずつ入荷しています。
② なぜ「パロサント 偽物」を検索する人が多いのか
楽○市場 や Amaz○n にあるレビューを読むと以下のようなものが目に入りました。
→ 前に他店で買ったことがありますが、こちらで買ったパロサントは細いし、香りが薄かったです。
→ 画像で出ているものとは全然違うものが届きました。まだらに濃い色とマーブル状になっているので、偽物だと思います。
→ 10cm くらいの長さのパロサントが届きましたが、1本の上と下で太さがすごく違うので、立てて飾りたかったのですがバランスが取れず残念です。
などなど。
天然の木を、人の手で1本1本薪割りみたいに手作業で商品にしているのがパロサントです。
太さは不均等で、1本でも先が細くて反対側は極端に太いなんてこともありますし、濃い色と薄い色がまだらになっている という物もよくあります。
ほとんどの店舗は見栄えが良い、均等に切断された木片や、色が統一されたきれいな画像を載せているものです。(私もそう)
ですが、実際のところは 1つ1つ太さや色の状態に違いがあるものです。
↑ 上と下で太さが異なっているとか
↑ 濃い色と薄い色でまだらになっている とか
(個人的には濃い色のものは香りも強いと感じます)
↑ 画像ではわかりづらいのですが、左の2本は「軽い」です。
右の2本は比較すると「重い」です。
現代のネットショップはレビューが命なので、正解が分からない中、このような意見によって「偽物なのかもしれない・・」と 不安に思う方がいても仕方ないだろうな、と思います。
私のお店「タンギズム・パロサント」では、あまりにも見栄えが悪いものや不均等なものは外しておき、リピーターのお客様などにオマケで付けて差し上げたりしています。
ですが、正直なところ、それをやっていると 結構な割合で オマケ用ばかりになってしまい・・・厳しいですな。
さて、結論として 「偽物はないと思うよ」としましたが
特殊な香りなので、これのコピーを作るとしたら、その方がよっぽどコストが高くつく気もします。。
ただ、南米でも深刻な森林破壊によって、採れる数が少なくなってきている事実がありますし、この先、すごいブームになって需要が増えれば少々のコストや手間がかかってもコピー品を作ろうとする企業が出てくるかもしれませんね。 コピーの得意な国 とかね。
それにしてもパロサントの香りは本当に素晴らしいです。
当たり前ですが、どこにも「わざとらしさ」のない 自然な香り なのです。
現代の私たちは「不自然な香り」に あまりにも慣れ過ぎてしまい、強く香らないと感じられない・・・偽物だと思ってしまう そんな節があるのかもしれません。
天然の大地から来る香りは優しく柔らかく ふんわり しています。
ぜひ実際に手に取って楽しんでください。
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