【丹後リビングラボメンバー紹介#06】丹後エクスペリエンス
【丹後リビングラボメンバー紹介シリーズ】では、丹後リビングラボメンバーへのヒアリングをもとに、メンバーの魅力をたっぷりお届けします!
『丹後エクスペリエンス』ってどんな会社?
メンバー紹介シリーズ第6回目は、
『丹後エクスペリエンス』の八隅さんにお話をお伺いました。
消防士を辞めて丹後に移住
もともと京都市内出身で消防士をしていた八隅さん。
消防士時代、多くの災害現場にて人の生死に関わる経験を経て改めて『人生は1度きり』ということを実感したといいます。
自分のやりたいことをどんどんやっていこうと思い、以前から住みたいと考えていた自然豊かな京丹後市へ移住することを決めました。
移住先では、まちの活性化をおこなう『地域おこし協力隊』に着任しました。
海のすぐ近くに住み、豊かな自然が身近にある生活が実現しました。しかし、気付いたこともありました。
移住して知った『海ごみ』や地球の環境問題
八隅さん:
海の近くに移住してとても幸せだったのですが、日がたつにつれて『海ごみ』の問題を知ることになりました。冬になるとゴミで埋め尽くされるビーチもたくさんありました。
不安になり調べてみると今後、ゴミはどんどん増えていくそうです。自分の子どもや孫、その先の世代に豊かな海や自然を残せないかもしれないことがわかりショックを受けたのと同時に、この海ごみの問題や地球の環境問題に対して、自分がアクションを起こしていきたいと思うようになりました。
ビーチクリーンを開始
海ごみへのアクションとしてまずは、海に行った時についでにゴミを拾ってみたり、地域住民の方々がやっている海岸清掃に参加したりしたそうです。
やってみて気づいたことは、「意外と楽しい」ということ、さらに、これがボランティアだけでなく仕事になったら面白いだろうな。と思ったそうです。
そこで八隅さんは地域おこし協力隊として活動しながら、『丹後エクスペリエンス』を起業し、海ごみに対するアクションを生業にしていこうと決めました。
現在、丹後エクスペリエンスではビーチクリーンの企画運営や、教育機関や企業の研修としてビーチクリーンを行ったり、環境省から依頼を受けて海ごみの回収なども行っています。
海ごみをキッカケに地球の未来を変えていく
丹後エクスペリエンスは現在で年間100回、1,000人の方々とビーチクリーンで関わるそうですが、公益性の高い活動がゆえに、収益化に苦戦しているそうです。
そのため今後は活動の持続化、拡大を目指して丹後エクスペリエンスを法人化し、海ごみだけに限らず『海ごみをキッカケに地球の未来を変えるアクション』を行う活動を会社として行っていこうと考えているそうです。
八隅さん:
ビーチクリーンは誰でも参加できる活動ですが、そこで海ごみの多さ、地球で起こっている環境問題に気づくことができます。海ごみや、ビーチクリーンを通じて、地球で起こる環境問題、また社会問題にたくさんの方がアクションを起こせるようにしようと考えています。
主な事業としては下記を考えられていると言います。
①ビーチクリーン:
ボランティアが一般的なビーチクリーン活動を持続可能にするため、仕事として収益を生みながら運営することを目標に活動していきます。
MOYAKO(誰でも気軽に楽しく参加出来るビーチクリーンを月2回実施)
UMIKAZE(海ごみの回収マニュアルの構築や海ごみの回収業務、研修や養成など)
行政からの依頼 など
②プラスチックアップサイクル
Precious Plasticというオランダ発祥のプラスチックをアップサイクルして新たな商品を生み出すプロジェクト。
自宅の倉庫で、オープンソースで学んだ手作りマシンで様々な商品を作ったり、アップサイクル自体を体験にして、多くの方に楽しみながらプラスチックや資源について考えるキッカケを作っています。
③e-bikeリース
e-Bikeを京丹後市内の観光事業者にリース契約で貸出し、環境に優しい乗り物で地域の魅力を体験してもらう取り組みを行っています。
④ 寄付つき電力(株式会社TERA Energy)
海ごみと、気候変動にアクションをかけていくため、京都市の電力会社『TERA Energy』と一緒に、再生可能エネルギー切替えと、寄付つき電力への切替えを広げています。
気候変動にCO2の排出が関係していますが、家庭から出るCO2で特に多いのが自動車と電気です。
気候変動にアクションをかけるために、こまめに電気をON,OFFしたり、省エネ家電に切り替えるなどのアクションも大切ですが、電力会社や再生可能エネルギーへの切替えは大きな効果を発揮します。また寄付つき電力のシステムによって、環境に優しい電力への切替えに加え、環境や社会に貢献する団体への支援ができるのがこの『TERA Energy』の特徴です。丹後エクスペリエンスも『TERA Energy』の支援団体に登録されています。
チャレンジしたいことは何ですか?
ビーチクリーンが職業となり、子どもたちの「なりたい職業トップ3」に入る社会
八隅さん:
環境問題と言うと、ついついネガティブな話題になってしまったり、特に地方では意識の高い人が考えるものみたいな印象を受けます。実際はそうではなくて、ぼく自身はビーチクリーンは楽しいからやっているし、続けています。
なので、環境問題や活動を、もっと面白いもの、フランクに話せる話題、憧れや、なりたいものになる必要があると思います。
ぼくは元消防士だったので、消防車にのっている時はたくさんの子どもたちが手を振ってくれたり、話かけてくれたりしましたし、消防車に乗せてあげると大喜びでした。
消防士になりたい。という人も多かったですし(なので試験は大変でしたが)
環境問題や活動がそのような体制、雰囲気やイメージになれば、担い手不足や、活動の存続の危機は徐々になくなっていくと思います。ぼくはビーチクリーンが消防士のような職業になり、子どもたちの「なりたい職業トップ3」に入る社会を実現させようと考えています。
こんな人に出会いたい!!
CSRやSDGS部門の研修や新入社員研修、学校関連の研修などでビーチクリーンを体験していただいたり、活動について知っていただきたいです!
また、TERA Energyにご興味のある団体や企業さま 、海ごみの廃棄方法についてアイデアも持つ方などなど、とにかく熱意を持つ方とも積極的に繋がっていきたいです。
おまけ
トレーニングが趣味の八隅さん。
現在、工房の一区画を体力錬成のためのトレーニングスペースにしている八隅さん。トレーニング好きの人をこのスペースに集めコミュニティをつくり、ひそかにビーチクリーンメンバーにスカウトすることを企んでいるそうです。
八隅さんのお話を聞くたびに溢れ出すパッションとわくわくにこちらまでウキウキします。また、だからこそ多くの人を巻き込みアクションを起こすことが出来ているんだなと納得します。
法人化してさらに進化する丹後エクスペリエンスに今後も目が離せません!
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