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「リスキルデザイナー、クリエイティビティへの冒険」Kyoto Creative Assemblage受講記
こんにちは。TangityでデザイナーをしているTsukiです。
今年10月から、京都大学が主催する京都クリエイティブ・アッサンブラージュという半年間の創造性育成プログラムを受講しています。とても刺激的な体験なので皆さんにも少しシェアできればと思い、レポートすることにしました。
京都クリエイティブ・アッサンブラージュについて
京都クリエイティブ・アッサンブラージュは社会人を対象にした創造性育成プログラムです。 人文社会学、デザイン、アート分野で京都を代表する3大学(京都大学、京都市立芸術大学、京都工芸繊維大学)の講師と創造的実践の第一線で活躍する実務家が集結し、6ヶ月の課程を通して社会を読み解き、新しい時代を表現するための考え方や方法を学びます。
文部科学省「大学等における価値創造人材育成拠点の形成事業」に採択されているプログラムです。
受講の理由・モチベーション
タイトルにもある通り私は社内の別の部署から異動してきた、リスキル中のデザイナーです。
そのためTangityに来てから初めて、デザイナーとしてクライアントの支援に入るようになりました。その中で、クライアントがデザイナーに期待する要素は様々ありますが、とりわけ「創造性」はかかすことができないものだと感じています。
サービスデザインには体系的なプロセスが存在しているため、プロジェクトの中でもプロセスに沿ったアクティビティを組むことはよくあります。
ただ、プロセスをそのまま利用し、なぞるだけでは良いデザインにはなりません。
リサーチや各種アクティビティで分かったことをどのように読み解き、サービスとして表現していくかという部分が大切であり、デザイナーの腕の見せどころなのでは、と考えています。
その中で、敢えてデザイナーに支援してもらいたいというクライアントは、少なからずデザイナーの創造性に期待をしているはずです。ありきたりなアイデアや既視感のある解決策ではないものを提示して欲しい、と思っているわけです。
そこで、社会をよく見て表現することで、創造性を育むこのプログラムを通し、顧客がわくわくして思わず一歩踏み出してしまいたくなるような提案がしたいと考え、受講を決めました。
((あとはシンプルに、定期的に京都に行って、芸術大学で講義が受けられるという素敵さに惹かれたのもあります。小声))
Part1 エステティックストラテジー(京都大学)
エステティック=美学という意味で、社会をよく見て表現する人文社会学的視点に基づくイノベーションを起こすための方法論です。
既存の意味のシステムからはみ出る「無意味=敗者」を見つけ、救済することで時代の表現、すなわちイノベーションが起きるというものです。
少し文言を補足します。
「既存の意味のシステム」というのは、すでに大衆に価値が認められていたり言語化できている枠組みの事であると解釈しています。
また、「敗者」と聞くと人を想像しやすいですが、人だけに限るものではありません。また、社会的弱者とかそういった意味でもありません。既存の価値の枠組みではまだ表現しきれていないモヤモヤとした人の感覚やモノなど、人以外にも様々な事柄や概念を表します。
また社会にある事象を集め、関連づけることで「イデオロギーの星座」と呼ばれる人々が惹きつけられる概念を紐解いていくワークを起点に、グループでアイデアを創造していきます。
事前に展開される講義ビデオと、グループワーク中心の週1回のオンライン(または京都での対面)講義で主に進んでいきます。
受けてみて.現在進行形での感想
一言でいうと、哲学書を大切に少しずつ読み進めていくような感覚です!
実際に講義の中で哲学者の引用なども多くあるのですがそういった事ではなく、ただ頭に知識を入れていくというよりは思索にふけりながら少しずつ概念を理解していく面白さがあります。方法論を一度聴いただけでは難解なので、頭の中で、こういう事かな?それともこうかな?と咀嚼しながら受講していきます。
不明な部分は講義時間で質問ができ、さらに噛み砕いた解説を丁寧にしていただけるので理解が深まります。
はじめの頃は、先生のお話がちゃんと理解ができるかな?という不安もありましたが、個人的に最近はその少し難解なところがクセになる!とハマってきております。
少し難解で詩的な映画の方が何回も繰り返し観てしまう、みたいな現象です。
とはいえ今でも100%理解できているのかは不明ですが...(笑)
またグループワークを通して学んだ方法論を実践に移せるので、講義を聴いて分かった気になったけどそれだけ...という状況にならずに済むのも良いところです。
星座をつくるところは、同じグループのメンバーの方と一緒に作るのですが、自分が知らなかった社会の事象や、自分の視点にはないイデオロギーの読み解きが出てきたりするので、日々視野が広がってとても面白いです!
アート演習(京都市立芸術大学)
アーティストの勘所を体得するというテーマで京都市立芸術大学で行われる計5回ほどの演習です。
演習1回につき1つの作品を作ります。
例えば、2人の顔の写真から1つの顔を作るといった演習があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1732007770-5jpV7Te9WRQinN1Dtl43yPcC.jpg?width=1200)
(プログラムの最後には各演習で制作したものをなんとキャンパスに展示していただけるようです。わーい!)
演習ごとにそこで学ぶべきテーマのようなものがあり、この回では「解体と再構築」というのがテーマだと理解しました。人の顔を一旦解体して、また1つ顔に再構築していきます。
これは、ポストモダンの考え方に共通するそうです。
ヒップホップ音楽のサンプリングなども、この「解体と再構築」により生まれたものです。
受けてみて.現在進行形での感想
漠然といつか芸大や美大で学んでみたいという気持ちがあったので、とにかく本当に楽しみで、楽しみで...。笑
普段現役の芸大教員の方から直接アートや表現することを学べる機会はなかなか無いので、非常に貴重な機会だと思います。
・最初から完成系を見据えすぎない
・作りながら考える
・何度も実践して身につける身体知の大切さ
など、普通にサラリーマンとして働いていると効率を求めてついつい抜け落ちてしまう視点がアート演習の時には重要だったりするので、先生のお話にハッとさせられる事が多かったです。
子供のように創造して、大人として効率的に首尾よく仕事を進めていくみたいな事が両方できてくると、もっと手応えのある仕事ができるのかなー、なんて考えてみるけど、時間は有限だし、やっぱり難しいなーなんて思ったり。(笑)
まだまだ足りないところはありますが、少しずつでも何かを学んで、成長していくことは続けていきたいと思います。
最後に
長々と語ってしまいましたが、デザイナーになってから、今までより横の繋がりの重要性を感じつつあるので、様々な方とネットワーキングできるのも個人的にとても嬉しく思っています。
受講生はデザイン系、広告業界、会社経営の方など様々で、皆さん個性があってとても面白いです。
皆さんもご興味があれば、ぜひ受講してみてください!
またTangityは、私以外にもデザイン系の学校に通ったり、大学の社会人向けのプログラムを受講されている方も多く、働きながら学ぶことがしやすい職場だな、と実感しています。
デザイナーさん大募集
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