画像生成AIツールで変わるデザインワークフロー
こんにちは!株式会社NTTデータのデザイナー集団「Tangity」で、デザイナーをやっています石澤です。
最近「画像生成AI」という言葉やその代表的なソフトウェアを目にしたり、聞いたりすること多くありませんか?
今後、画像生成AIツールの普及によって従来のデザインワークフローのどのような部分が変わるのか、についてお伝えしたいと思います。
1.画像生成AIとは?
画像生成AIとは「テキストで出来上がりのイメージを指示するだけで自動的に画像やイラストが生成されるソフトウェア」のことです。代表的なソフトウェアとして「Midjourney」が発祥と言われていますが、ここではAdobe Firefly(ファイアフライ:https://www.adobe.com/sensei/generative-ai/firefly.html)を取り上げていきます。
まずAdobe Firefly*でできることについては、公式HP(https://firefly.adobe.com/?workflow=route-to-path)やその他メディアで詳しく解説されているのでここでは詳細は割愛しますが、代表的な操作として、文字から画像を作ることができます。例えば「Japanese nature, wearing kimono , using umbrella, fiction, vector」と指示します。その結果、下図のように自動で生成されます。
*2023年6月時点でベータ版の提供(リクエスト承認制で利用が可能)
参考までにAdobe Fireflyの主な特徴を3つを紹介します。
(1)何枚でも無料で作成できること
(2)タッチや色味やサイズなど簡単に指定できること
(3)著作権がフリー(商用利用可)であること
特に3つ目がデザイン業務においては大きなポイントだと感じています。ただし、現在の利用前提はベータ版であるため商用利用には使えません。
2.何が変わるのか?
このような画像生成AIの導入により、デザインワークフローは次の3つの点で変わるでしょう。
(1)クリエイティブなアイデアの幅出し
画像とテキストのエフェクト生成に特化しており、これによりデザイナーはより多様なクリエイティブなアイデアの幅出しができます。プロンプト(AIへの指示文)を補完する直感的に指示できるエフェクト(サイズやスタイル等)が用意されており簡単に作ることができます。
(2)生産性の向上
従来の作業に比べてイメージを迅速に生成できるため、デザイナーは生成した画像をラフスケッチとして使用し時間を節約しながらより多くのイラストを作成することができます。これにより、自分で手を動かすクリエイティブな部分に注力でき品質と生産性が向上します。
(3)コラボレーションのやり易さ
デザイナー同士が分業するケースにおいて生成した画像を共有した際にテキストで伝えるだけでそのイメージを直ぐに生成することができるためやりとりする回数も手間も省けます。
3. デザインワークで想定されるユースケース
(1)クイックなプロトタイピング
デザイナーは短時間でビジュアルのプロトタイプを作成することができます。新しいアイデアやコンセプトを素早く試すことで、クライアントやチームとのコミュニケーションをより具体的にし、デザインの方向性を確認することができるようになります。
(2)魅力的な広告やマーケティング素材の作成
デザイナーは魅力的で効果的な広告やマーケティング素材を作成することができます。例えば、テキストエフェクトを使ってキャッチーな見出しを作成したり、独自のプロンプトを加えて製品やサービスのプロモーションに効果的なビジュアルを短期間で作成することができます。
(3)Webサイト上のコンポーネントの作成
Webサイトのデザイン領域でも活用できます。例えば、ウェブサイト上に作るユーザーインターフェース(UI)デザインにおいて、様々なコンポーネント(ボタンやレイアウトなど)を短期間で作成できることでデザインシステムの構築に貢献できます。
これらのユースケースは、デザイナーが時間をかけて形にしていたこれまでの作業効率と品質を上げることなると考えます。
4. デザインシステムへの適用
最後に前述のユースケース(3)に着目します。デザインシステム構築への応用です。デザインシステムとは統一されたデザインルールやコンポーネント、ガイドラインを提供し、一貫性のあるデザインを実現するためのフレームワークです。
今後、Fireflyが正式にリリースされた後、以下のような方法でデザインシステムの構築が短期間でできるようになると考えています。
(1)コンポーネント標準化
デザインシステムに組み込むための標準化されたコンポーネントを作成することができます。例えば、共通のボタンエフェクトやアイコンエフェクトを作成することで、デザインシステム内の要素の一貫性を確保することができます。
(2)コンポーネントの拡張
デザインシステム内のコンポーネントのバリエーションを増やすことができます。例えば、異なるテキストエフェクトや画像エフェクトを生成して、ボタンやカードなどのコンポーネントにバリエーションを加えることができます。
(3)ワークフローの効率化
デザインシステム構築時にコンポーネントを短期間で作成することができるためデザイナーがより迅速かつ効果的に進めることができるようになります。
以上のようにデザインシステムの構築においてデザイナーが一貫性のあるデザインを短期間で作成することができると考えます。
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