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日常のマーチ

最近、というより日を増すごとに「生活」が好きになっている。
自称「生活愛好家」を名乗ってもいいのではないかと謎の自信まで出てきてしまっている。
小さい頃から朝が苦手だったけれど、睡眠は安定してきて、朝すっきり目覚めることが増えた。
もともとよく寝るタイプなので年齢を重ねても、まだ朝5時にパチっと勝手に目覚めることはないけれど、とにかく寝起きのダルさがない。
昨年、睡眠の専門家である先生の講演会で聞いた話を可能な範囲で実施してみた結果が出ている。
朝は起きたらカーテンを開けて、たっぷり日光を浴びる、散歩を習慣にする、帰宅した夜は間接照明だけにして、寝る前はスマホなどは極力見ないようにする、毎日7〜8時間は寝る、あたりを忠実に守っている。
スタートがいいと、視界がなんだか良好である。
目の方の視界と、こころの視界、両方いい感じだ。
朝の眠気が消失したので、通勤電車の中で本を読む習慣もついてきた。(昔は、首が90度に曲がるくらい車内で爆睡していた)
もうすぐ読み終わりそうになると、次に何を読むかを考えることも楽しみの一つになった。
図書館で予約の書籍が回ってくるのも「待ってました!」という気分になってすでに胸が躍る。

仕事が終わって、空腹の帰り道。
今日は何を食べようか、自分の胃袋と話し合う。冷蔵庫や冷凍庫にあるものを思い出し、足りないものはスーパーで買う段取りを考え、レシピを考える。SNSに美味しそうなものや作りたいものがあれば、ブックマークをつけているので、そのストックから探すこともある。
料理をつくるのも、最近はさらに楽しくなってきている。道具を使って、切る、刻む、潰す、炒める、調味料を混ぜる、煮込む…
食べることは勿論好きだが、この料理が出来上がっていく過程そのものが楽しい。
気力がない時は、手や頭を動かすことさえ面倒くさいけれど、あえて動いてみることでどんどん気持ちがノってくる感覚がある。
"やる気が出るまで待つのではなく、まずやってみることでやる気が出てくる"というのは、きっとそういうことなんだろう。この歳になって、やっと実感できた。

あたたかい湯船に浸かることも好き。
一日の疲れやモヤモヤがあっても、お湯に溶けていく。以前までは"寝たら忘れる"だったけれど最近は"風呂で忘れる"に変わった。
今日はどの入浴剤を入れようかなと選ぶことが楽しい。
久々に温泉にも行ってみたいけれど、ひとりでゆっくりまったりできるなら家風呂で十分だ。

あるタレントが「幸せになりたいんなら、まずは冷蔵庫の中に自分の好物を入れておきなさい」と言ってたことを思い出す。
最近、私はくだものにもハマっているので、シャインマスカットが冷蔵庫にあると、疲れて帰ってきても扉を開けた瞬間に幸せをチャージできる。
お酒好きの人は缶ビールとかをストックしてるんだろうな。

「幸せになる」というのは「自ら幸せを見つけられるような人間になる」ということだと思う。
受動ではなく、能動。
幸せは歩いてこない、だから歩いてゆくんだね。
あれも、これも、好き、楽しい、あぁ幸せだなぁ。
そんなふうに感じられるために、まずは休息と、余白がいるのだろう。
最近読んだ三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』にも、半身で働くことが推奨されていた。
やらなければならないこと(思い込んでいるもの含め)の荷物を、まずは整理する。
幸せは毎日の中に、目の前にあるから、見逃さないように暮らしたい。

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