ずっと考えていた簡単なお金のかからない豊さ
長年、お金のことではずっと悩んでいた。
いわゆるシングルマザーだったし、家の中の唯一の稼ぎ手だった。
しかし、お金を稼ぎたいのと同じくらいに子どもとの生活は犠牲にしたくなかったので、正社員で長時間労働をするのも嫌だった。
何より、自分自身がどこかへ行ってしまってスポイルされた気になるのが分かっていた。
それでも20年近く前にシングルになった当初は、まず生活のために稼がなければと、正社員を目指した時もあった。しかし、その頃は、蕁麻疹に悩まされたり、体調不良になったり、精神的に危うくて、タバコは日に2箱近くも開ける生活だった。
キッチンの換気扇の下や、子ども達が後ろに乗っている車でも運転しながら吸っていた。子ども達は文句言わなかったが、迷惑なことだったろう。
とある不動産会社で働いていた頃は、正社員だったので手取りで26万円くらいあり(良い時代だったし給料のよい会社だった)家賃もほどんどかからない家に住んでいたので金銭的には問題なく子どもは塾や習い事もできていたし、必要なものはだいたい買うことができていた。
しかし、当然ながら自分の時間など全くなく、朝目覚ましで飛び起きてからお弁当を作り朝ごはんを用意して、子どもより先に家を出て、仕事が終わったら飛ぶように帰って、家に帰ったら座りもせずにご飯作って、子どもと会話してお風呂入って洗濯機を回して干してから寝る。
それは、共稼ぎの家の主婦と何ら変わりはなかったのかもしれない。
しかし、家の中の唯一の大人であり唯一の稼ぎ手であるというプレッシャーで、私にとっては、そんな生活はお金に不自由はしなくても、何かが決定的に欠けていた。
たぶん、それは自分の時間。
その頃は、お金があれば不自由のない生活が送れると思っていた。
ある程度、それはその通りだと、今も思う。
けれど、お金があっても自分自身の時間がなければ、満たされる思いがないというのが、正社員生活に別れを告げて、金なしシングルマザーを選んだ私の結論でした。
正社員時代を無理やり強制終了させてからは、ボディワークなるものの習得をしたり、バイクの免許を取ったり、稼ぎ方としては、時間の自由のきく仕事を選んだり。おそらく、お金を得る方法としては、全く効率の悪い働き方をしてきた。
子どもが巣立った現在は、ガイドヘルパーや介護の仕事をして週に3日のみ働き、あとは自然農や環境活動、マッサージをやったりしている。
結局こういう動き方が、自分にとって、自分の時間を失わない働き方になっている。長年かけてわかってきた。
お金がたくさんある=豊さ ではないことに。
最低限のお金 + 自分の時間= 豊さ なんだということ。
その時間も、ただ暇を持て余す時間や何かを消費する時間という意味ではなく(それもあるが)自分自身が善しとする時間を持てること、それが本当の自分の時間。
ごくごく当たり前のことで、多くの人がわかっていることかもしれない、
でも何度でも言いたいけれと、お金ばかり稼ごうとしても豊さはついてきません。
自分なりに、自分の時間を充実させること、これがないと決定的に何か足りない感がつきまとう事になる。
アラ還近くになって、やっとわかった単純なことでした。