政治家という家業。
岸田首相が長男を内閣秘書官に登用したことが批判された。それは子供をこねで優遇したのではないか、という理由だった。まあ岸田氏は長男を後継者として育てたいとの願いがあるのだろう。もしも息子がいずれ政治家になれば、三世つづく世襲議員となる。
しかしこれは政治の世界ではたぶん特殊な話ではない。ありふれた日常だ。
政治家という仕事が、稼業でなく家業になっているという現実があるからだ。
それは国会議員にとどまらない。私の住む町では県会議員の選挙が近いらしく、街中にポスターをベタベタ貼っている。その政治家たちの名前をなにげに眺めていて、あることに気づいた。
苗字にみおぼえがあるのだ。たしかうちの町の前の市長とその前の市長がかれらのうち2人と同じ苗字だった。ひょっとして親族じゃないの、と調べたら、やはりそうだった。
1人は前市長の娘。もう1人は前々市長の息子。もう地方の町の政治家もかんぜんに世襲の態勢に入っているのだ。日本中の市町村で似たような現象が起きているのではないだろうか。
岸田氏を批判するのはかんたんだが、日本という土壌のほうがそうなってしまっているので、彼だけの問題ではない。
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