地獄は一定住みかぞかし 7

35年間引きこもりの生活をつづけていた60歳の男。朝5時に起きて、部屋で一日アニメをみて夜は9時に眠るというまるで哲学者のカントみたいな規則正しい生活をしていたそうです。
収入はなく、90歳近い老父母の年金や貯金が生活の糧だった。まさにパラサイトの典型です。親が亡くなったらどうするつもりだったのか。
とはいえその親を殺したのもこの男でした。酒屋をやっていたので家には業務用冷蔵庫があり、2人の死体をそこにいれて、ガムテープでぐるぐる巻きにしていたそうです。電源は入れていなかったので腐敗がすすみ、死因もわからなくなっていたほどでした。

ふつう自堕落な生活をおくるというのは昼夜が逆転したりしがちですが、この男はまるで修行僧みたいに朝5時起床、夜9時就寝という生活のリズムをしっかりと保っていました。引きこもりの鑑というべきかもしれません。

親を殺した理由は、父親からトイレの介助を頼まれて、それが2時間に3回とか頻繁で、じぶんがアニメをたのしむ時間を削られるのが嫌で「殺すぞ」となった。母親はその殺人をみていたので、生かしておくわけにはいかなかった。
しかしこの男には朝5時から夜9時まで1日16時間もあるわけですから、少し中座するくらいなんともないのでは、とふつうは思います。
あるいはですが、自分の視聴時間をかっちりと守っていて、途中で邪魔されて思い通りにならないことを許せない、というメンタルなのかもしれません。
彼は次男で、長男もいましたが、精神の病気があって入院しているとの記事がありました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?