【寒露・霜降2024】 Letter from farm
9月に入り、朝晩に秋風を感じられる季節になった。今年も何とか暑い夏を乗り切り、猛暑を乗り越えた自分の事を振り返ると、「暑い、暑い」と言いながらも、人間は環境に対応していくものだと思った。
ハウス内の植物たちも、夏を乗り越えて順調に生長している。
だんだんと分かってきた事だが、夏の強い日差しを和らげようと遮光をするよりも、ガンガンと日差しを当て、その厳しさに順応していこうとする植物のポテンシャルを引き出した方が、結果的に元気な生長を見せてくれそうである。
8月初旬に植えた葉牡丹も良く生長し、葉が丸く重なり合ってきた。
名前のごとく牡丹の様相だ。しかし、ここまで来るのに1か月少し、虫の総攻撃に何度も遭った。葉牡丹はキャベツの仲間なので、虫がよく付く。
コナガ、ヨトウガ、モンシロチョウがハウスの外から飛来し、葉に卵を産み付ける。そして、幼虫が生まれモリモリと葉を食べていく。
殺虫剤を撒く時は、頭から雨合羽を被り、ゴム手袋に長靴、マスクを付けて散布する。
電動の散布機に薬液を入れ、背負うとその重さは約15kgになる。なかなかの重さだ。この装いで3日~6日に一度、青虫の防除を行う。
悲しいことに、出来る限り防除を行うのに、それでも葉牡丹の葉は食べられ、大小様々な穴が空いていく。
不思議なことに、9月10日を過ぎると虫の食害は減る。サウナスーツのごとく、雨合羽を着ながら汗を流した防除作業の苦労は、この季節の朝露に光る葉牡丹の光景を見ると報われる。
秋田緑花農園
Shigeyoshi Akita
https://note.com/shigeyoshi_akita/