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父はペヤング派

50歳、独身、一人っ子のたね子です。

タイトルと内容は関係ありませんが、ふと、父はペヤング派だったことを思い出したので!
私はU.F.O.派!!

前回までは、一人っ子で、両親を同時に看病しなければならなくなったお話。

前回はこちら↓

人は本当にあまりにも大変な時は、大変なことに気づかないものです。
この時はがむしゃらで、ただただ、その日をこなして、過ごす毎日。

みんなには、「たねちゃん、元気でよかったよ。」と言われます。
空元気というか、不幸な人だとか、憐れにおもわれるのが嫌なので、いつも通り、全然余裕だよと装います。
たね子は、子供のころから、一人っ子はわがまま、ダメな子と言われないように、こういう時は、ちゃんとしていようと心掛けてきたので、しっかりした子に見せようとします。
そのせいか、未だに甘えるのが下手です。

こういう弱ってる時、「たね子ちゃん、わかってる。無理しなくて大丈夫だよ」なんて
たね子が、本当はしっかりした人ではなく必死だということを見抜いてる人には、一発で落ちます。

逆に、「たね子ちゃんは、どんな時でも明るくて元気でいいよね。」なんていう男の人は全然わかってないなと一生平行線です。

私のタイプはいいとして…笑

この年は、初めてじゃないかと思うくらい、
ゆっくり3人でお正月を迎えます。
両親は、病院にいたので、食べたいものがたくさんあります。
とにかく、食べて、寝てのお正月。
そして、我が家、お正月恒例の映画「男はつらいよ」観賞。

そして、会話は
二人の病院あるあるや手術ネタ。
こっちの方が大変だった自慢。
さすが、たね子の両親。
しょんぼりしてません。
今まで、テレビ電話で、会話していた2人なので、話もつきません。

元気になったから、病気のことも話せるって言うこともありますが、こんな時を迎えられるとは思えませんでした。

そんななんでもない日常が、ずっと続くと思っていたら、父がまた再発してしまうのです。

もう手術も出来なくて、薬も効かなくなってしまいました。
とりあえず、本人には、詳細は伝えず、家にいることになり、先生は「本当に調子悪くなったら救急車で、病院に戻ってきなさい。」と言ってくれて、家で過ごすとになりました。

本人はまだ元気だったので、次々、希望をだしてきます。
両親は誕生日が近いので、父が私を子供の頃によく連れていってくれたホテルでお祝いしたいと言いだしました。
ちなみに、毎年、両親は、祝う側が私だけなのでさりげなくアピール。
一人っ子は大変です。

それではと、父は最後だと思うし、母の快気祝いも兼ねて、少し前倒しで、1泊で行くことになりました。

父は、誕生日だから、わがまま言っても大丈夫だと思い、夜はルームサービスがいいと言い出します。(あらゆるジャンルを食べれるから!)
朝も朝食ついているのに、ルームサービスを頼みたいと。(すっかりルームサービスにハマる)
お昼は希望でお寿司を食べに。
食べたいものを次々と。
母の分まで。
内臓や、食事制限もないので、本当に最後までよく食べました。

ちなみに、たね子、後で請求の明細を見て倒れました。
結局、1泊で15万!
一生分の親孝行をまとめて払ったと、思えばね…泣。

その後も、久しぶりの家に帰ってきたからで、妹と懐石料理に行きたいって行ったり、友達や親戚をお家に呼んでパーティーしたり、遊びに行ったり、とにかく、とにかく、1ヶ月くらい楽しく過ごしました。
もう、最後の打ち上げ花火みたい。

だんだん体が動かなくなってきて、自分でもおかしいと思っていて、それでも、今までで最高の状態で退院してきたので、まさか悪くなるとは思っていなかったみたいです。
自分でも急に遊び過ぎたから疲れたと言って、私も嘘をつくのも心苦しいところでしたが、次の外来の時に先生に聞いてみようと言い聞かせました。
ある朝、食欲がないと言って、ご飯はいらないと言ってたのですが、アイスなら食べられそうと、ロッテモナ王を片手に、「これならいける!」と言って、全部食べて寝てしまいました。
それから、目を覚まさず、意識が戻らず、救急車で、病院に行くことに。
結局、そこから1ヶ月意識が戻らず、帰らぬ人となりました。

病気とはいえ、痛みもなく、好きなものを食べて、好きに過ごして、2年が6年になって、なんか大丈夫じゃない?なんてしまいそうになったけど、この間に、何回も山場があって、私も覚悟みたいなものは出来ていて。
その時は、悲しみより、無事送り出して、やりきった感の方が多かった気がします。
なんといっても、アイス食べてそのままおやすみって最高よね!

この病気の間には、リハビリしなかったり、家のこと手伝ってくれてもいいのにとか、私が怒っちゃったり、喧嘩したり、そういうこともあって、私も私自身が嫌になったりということもあったし、本当に大変だったと思うのだけど、なんだか、忘れてしまって。
病気になったことによって、2人で出掛けたり、家族で出掛けたり、良かったのかなと勝手に思ってます。

「終わりよければすべてよし」
な家なので、よかったことにします!

父については、江戸っ子じゃないのに、江戸っ子気取り。
お坊ちゃまじゃないのに、お坊っちゃま気取り。
とにかく、振り回されて大変。
まだまだ伝説の数々が!
そのうち、お伝え出来ればと思います。

あっ、母は日に日によくなり、パワーアップして、元気に暮らしています。









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