蟹
世の中三連休。そのうち日月、出勤。
日曜、無事退勤。まぁ日が暮れかけてるうちに帰れたからそれは良い。
ガラポンで雲がくれが当たった。あ、これじいちゃん達好きって言ってたなって思い出して、仕事から帰って、隣に住む祖父母の家に持って行った。
ただいま〜これ好きだったでしょう、食べて!えっどうしたんだこれ?だとか、今日はどうだった〜なんてじいちゃんと話してたら、裏口からお母さんが入ってきて、開口一番、「カニ食ってけカニ!冷蔵庫開けて!」
思いがけずカニを食べた。なんでもない日に、スーパーで買ったらしい1000円のカニ一杯を、祖父母と私の3人で食べた。
テーブルに新聞紙をひいて、アルミのお盆の上でじいちゃんがハサミで足を切り、味噌の詰まった身体の部分を切る。こういう時じいちゃんは、絶対に三等分をしない。カニに限らず、ケーキでもお肉でも、わたしが好きな物、喜ぶもの、何でもそうだ。
今日もじいちゃんは身体の半分を私にと、その半分をまた半分にしたのをじいちゃんとお母さんで食べるからと、私の大好きなカニ味噌がたくさん詰まった身体をわけてくれた。
最近仕事でなんやかんやあった私にはこの時ちょっともうくるものがあって、ここの部位が美味しいんだよね、とか、赤泊がどこにあるかも知らないの?!だとか、もうちょっと食べたいなってとこで辞めるぐらいが丁度いいんだよねなんて話を3人でしながらカニを食べるのが幸せで幸せで仕方なかった。
祖父母の家に着いたのが18時頃、隣の家では夕食の準備中。パパやママ、弟達にはカニを食べたことなんて絶対秘密、急いで手を洗ってマウスウオッシュで口を濯いで、何食わぬ顔で「ただいま〜」って言う。3人だけの秘密、ちょっと、いや大分嬉しくって、「今日ね、自転車乗れるようになったんだ〜!」っていう弟の報告に外人並のオーバーリアクションをしてしまった。
というカニ一杯を食べて胸が一杯になってしまいました、ってな話です。実話です。