スーパーで出会った男児の話
皆様、こんばんは。
皆様は個性的な人間に出会ったことはありますか?私はあります。
スーパーのレジ、飲食店、電車の中等、社会というのは、色んな人間と巡り合える場所だと思っています。セミナーではないですよ。
シナチクボーイ
そんな私がスーパーのレジ打ちでバイトをしていたときのこと。
男の子を連れたお母さんがレジにやってきて、品物をたくさん入れたカゴを置きました。男の子は多分、幼稚園児なのでしょうか。制服を着て、胸には青いチューリップ型の名札が付いていました。
その子の手には、メンマ。お菓子はカゴの中。普通、お菓子にシール貼って!というのが一般的です。
ただ、そんなものは大人の偏見なのです。そのときは私は高校生なので、子どもではあるのですが。
その子は私と目を合わせると、目を輝かせ、
「ねえ!知ってる!?」
と某豆しばのごとく問いかけてくるのです。その男児の目の輝きと、あっ、と口を開いた母親。男児は私が何を知ってようが知ってまいがお構い無く、
「メンマってね!シナチクなんだよ!!」
お母さん、顔真っ赤。私は反応に困りキョドり。そんな2人にはお構い無くドヤ顔の男児。
「そ、そうなんだね、物知りさんだね。」
ようやく掛けられた言葉。男児は大満足。そして、メンマを渡し、
「テープ貼って!」
そしてメンマに貼られる「お買い上げありがとうございます」のテープ。
お母さんは顔を真っ赤にしたまま、支払いを済ませてサッカ台へ。男児はニコニコ笑って、
「メンマはシナチクなんだよ!!わかった?」
と私に言ってから、ママー、待ってー!と笑いながら去っていきました。
エリンギ
さて、スーパーの話でもうひとつ。
事件は、レジ打ちに飽きて、青果コーナーにサボりに行こうとしていた私の目の前で起こっていた。
スーパーのお菓子コーナーでたまに見掛ける風物詩。お菓子を買ってっ!!とひっくり返って泣きじゃくり、手足をバタつかせるあの光景。そう、駄々をこねてる光景。
お菓子コーナーと果物のコーナーで起こる確率が高いこの光景が、何故か野菜コーナー(きのこが陳列されてる場所)で繰り広げられていました。
かなり大きな声で、つんざくような声で、
「エーリーンギーッ!!!!」
とエリンギをシャウトする男児。何故エリンギなのか。
「今度、エリンギ買うから。」
と焦るお母さん。そりゃあ、これだけエリンギをシャウトされては、お母さんも焦ります。しかし、明日じゃダメだと、ヤダーッ!と叫ぶ男児。きのこを買うつもりなんて、お母さんにはないのでしょう。断固として譲りません。
「エリンギーッ!!!………あ。」
エリンギをシャウトしてから、何故か泣き止む男児。スクッと立ち上がり、お母さんのところに行って、
「やっぱシシャモにする。」
と。
え?
こちらの理解が追い付かないまま、店内を歩き出す親子。シシャモ。…シシャモ??謎を残したまま、私は廃棄予定のミカンをもらいに青果コーナーにサボりに向かいました。
未だに忘れられない男児2人。メンマとエリンギ、シシャモを見るたびにふと思い出します。