未来を開く探究学習at東京大学2024.11.10

今日は、「未来を拓く探究学習」に参加しました。探究について本気で考える東京大学の開沼先生が中心にやっておる福島カレッジの一環で開催されたセミナーです。
内容は、教育分野の研究をされている遠藤健先生の「高大接続の観点からの意味のある探究学習」についてのお話、開沼先生の「研究レベルの探究」についてのお話、最後に辻愛沙子さんの「若者が社会課題を考える意味」についてのお話、そして、リフレクションとしてのディスカッションでした。

内容をかいつまんで、

遠藤先生(早稲田大学)の話
早稲田大学の事例をもとにしたお話でした。早稲田大学は、学生の数を減らし、教員の数を増やす方針だそうです。その目的は、学習行動をポジティブにするため。その手段として探究がある。探究は意味ある探究であるべき。そのためには、現行指導要領でも学習者を中心に整理されているが、学びの関係性の再検討が必要。内容より課題を中心に、結果的に必要な教科を横断的にやるようなイメージ。高校では、解決だけではなく課題の発見もしてほしい。中学では、探究のよさを理解してほしい。(小学校では)学習とは何かを理解する必要がある。今までとは違うぞと思わせたい。

開沼先生(東京大学)の話
探究学習がだいぶ一般的になってきた。民間の事業者も増えてきた。民間が増えると懸念されるのが格差の問題。お金持ちしか意味のある探究ができないとなるのが怖い。そのためには、民間は学校のパートナーとなることが望ましい。これからの学びには、サイエンスとアートが必須。STEAMとデザインからは逃れられない。探究学習のコンテストが各地で行われている、ルールがはっきりしていない。高校生が一生懸命探究してきたものを、大学教授がケチ付けていることもある。大切なのは、正しい正しくないではない。段階に応じたルール作りが必要。高校生の探究が、研究者の刺激になることもある。

辻愛沙子さん(クリエイティブディレクター)
問いを立てると、反抗的な人、面倒な人と思われる。時代はいつもたったひとつの問いから始まる。当たり前のことも、誰かが立てた問いから始まっている。それがなかったら、今も当時と同じ生活をしていたはず。社会は完成されているもの、偉い誰かが上手いことやってくれるだろうと思ってしまいがちだが、問いを立てる力が未来を変えてきた。今は、信じることが難しい時代。不安になると懐疑的になる、猜疑心に苛まれる。そこから脱却するには、現地に行く、参加する。やってみるといい。社会問題は、生活の問題の集積である。ソーシャルイシューは、ライブイシューの集積である。社会は主語が大きいが、生活の問題という小さな主語の集積が社会問題だ。誠実であることは、素質ではなく意志。だから、完璧である必要はない、倫理的であろうとする意志が大事。完璧な人間などいない。
これらは、あくまで三菅のメモです。3人の方が話したことは、必ずしもこの通りの意図ではないかもしれません。

最後のディスカッションでは、高校生や探究学習DXのシステム構築をしている方とお話ししました。

探究には正解がない。このような集まりに参加するたびに、奥深さと面白さを感じます。

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