田根さん問題への対処方法2
(1の続き)
建築家に相談すると、中身の指摘も、
これは「非合法」だよ、という以前に、
こんな作り方してはいけない、という指摘ももらえます。
(以前、トイレが違法建築、ドアが保険に入れないセキュリティレベル、お風呂は40度以上は加熱を勧めないなど、話しましたがこれ以外に)
私の場合、
1)配管にアクセスできないのでメンテナンスできない
フランスの建築で怖いことの一つが漏水です。建造物全体が古い中、なかをリノベーションしてつかっているので、水に弱いのです。
主に大理石を使って床や壁が作られていたのですが、
「これ、配管が漏水しているか確かめるすべがないですよね?」
「調べるには、大理石の壁や床をぶっ壊して、定期点検するしかないけど、なぜ、こんな仕様なのですか?」
と聞かれて、なるほどと。
たしかに、普通は、配管にアクセスできるように天井が取り外せたりしますよね。
言われてみればそうなのですが、素人には、どれぐらい配管にアクセスできれば、
十分なメンテナンス性があるのか、わからないですよね。
作った後のことは考えられていないのです。ということは、他にも。。。
2)上水道と下水道が交差して不衛生
あーこれ、お風呂の湯船で、
上水道(水が出る口)、下水道(水を排水する口)の高低差がなくて、
真横に隣接してるので、(病気になるぐらい)不衛生だし、
そもそも日本ではたぶん違法だよ。
というか、違法合法以前に、こんなの絶対(危ないから)作らないよ。
自分で日本の水道関連法規を調べると、たしかに、上水道と下水道は、高さxxセンチ離さないといけない、と書いてあります。
実際、いままでふりかえると、そういうお風呂しかみたことない気もします。
がちょっと、排水口の位置をみて、これは衛生面がどうとか、ちょっと素人にはぱっとはわからないですよね。。。
という衛生面から考えられた設計なので、他にも。。。
3)絶対に暖まらない床暖房
床暖房を入れているのですが、テストするとほぼ部屋が暖かくなりません。
なぜか調べた建築家に聞いたところ、
この床暖房は、設計上、絶対に正しく機能しません。
床暖房は、
床の(温水や電気の)暖房配管と、
温度を図って調節する「サーモスタット」の2つの要素があるのでが、
正しく動くためには、
サーモスタットを正しく温度を検知できる場所に設置する、
という前提があります。
この物件では、サーモスタットが目立たなくなるように、
棚の奥底に設置されていますが、これでは温度を検知できないため、
安全装置が働いて、暖かくならないように止まってしまいます。
なぜ暖かくならない床暖房を設計したのですか?
なるほど。
しらんがなw。
設置はされているが、動かない前提という謎設計。
ちょっと、理解を超越してますよね。ということは他にも。。。
4)法律上必要な建築保険に入ってない
調べてくれている建築士に、
これ、施主として工事保険になぜ入ってないのですか?
違法ですよ?
と言われて、???でした。
ネットで調べてみると、
フランスにおいては、施主・建築士・建設会社が、
「それぞれ別の」保険契約を結んで、
工事契約をすることが、法律上義務付けられています。
確かに、田根さんとの建築家契約の書面を見直すと、
「建築家は、施主に、工事保険の必要性を説明して入らせる」的
文言が、あるのを見つけました。
で、当然、説明を受けてないどころか、
建築家が保険に入っているから、施主は入らなくていい、
という嘘の説明を受けていて、入ってないのでした。
結局、他にも違法なことがいろいろ見つかっていくわけですが、
このレベルの建築関連契約・法律を守るつもりがないということは、、、
ーーー
個別の話をしたいというより、言いたいことは、
「これは建築家でないとわからない」ということ。
外形的に、ちゃんとできているようでも、
建築家が見れば、これはむしろやばいものが、出来上がってきてる。
建築家にみせるしかないのです。
ただ、前のページに書いたとおり、
ドキュメントがないと、建築家も調べられないが、
ドキュメントがない・杜撰という別問題に到達して、
さらなる根深い問題に到達するのでした。