引渡し書面に、未完成で無断でサインした件

今回の訴訟の中で、
「我々が知らぬ間に、未完成なのに、工事を依頼した建築業者からの引渡し同意書に、建築家(田根さんが)が(我々に無確認で代理し)了承しサインしていた。」
ということがあります。

(引渡し書面にサインする=レセプション、とは、依頼した工事は完了したと、発注者が認める行為です)

多くの日仏の建築家に相談しましたが、
「そんなことが、あるわけがない。田中さんの誤解ではないか?」
と、言われることがほとんどでした。

(私も、本当にびっくりしたので、そう言いたい気持ちはわかりますが、起きているのです。)

下記、田根さんからの説明書類です。

ただ、これも、経緯をからすると、説明を本当だと納得できないので、
どこまでが本当なのかな?とみるべき資料です。

この文章を見て、個別の建築プロセスがどうというより、
説明を聞いて、この人は、詐欺的欺瞞的な人格だな、
とんでもない人に依頼していたんだなと、と理解し始めたのでした。

(たとえば、リザーブの話はしていたが、レセプションは知らなかった、みたいなことが書いています。レセプション(=引渡し合意書面サイン)するから、同時にリザーブ(=引渡し後の工事事項の合意)が行われるという工程なので、
レセプションなしで、リザーブがあるということないのです。

フランスの建築に関わる人からすると、この1つだけでも、田根さんの言ってることが、信用できないと理解できます)


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telier Tsuyoshi Tane Architects

田根剛様

今般、当社がDelbocaに工事を請け負わせたアパート改修工事(以下、「本工事」といいます。)について、当社は貴社又は貴殿若しくはその他一切の個人に対し、レセプション(Procès-Verbal de Réception de Travaux)に当社(Maître d’Ouvrage)を代理して署名する権限を与えたことは一切ございません。

それにもかかわらず、2020年1月16日付けレセプションには、貴社のxxx氏が当社を代理して署名しているように見受けられます。また、この無断での代理署名について、当社に対して事前・事後の相談や報告すらございませんでした。

その結果、当社はDelboca社より、本工事に未完成部分が多々残ることが明らかであるにもかかわらず、検収済みのものとして工事請負代金残額の請求を受けておりますことは、ご承知のとおりです。

そもそも、当社は貴社をフランスにおける建築の専門家として起用し、貴社は契約にしたがいDelboca社が行う本工事を適切に監督して頂く責務を負っていた以上、このような事態は到底承服できるものではありません。

当社としては、レセプションへの貴社の無断署名の事情について、改めて詳細にお聞かせ頂く必要がございます。以下の各質問に、日本時間6月28日までに書面(紙ではなくメールでも構いません)でご回答頂きたく存じます。

ーー
1)
当社は貴社に対し、レセプションへの代理署名権限を委任したことは無いという点について、貴殿のご認識と合致していますでしょうか。もしこれに異論がある場合には、貴殿がどのようなご認識であるか、ご教示ください。

(田根回答)異論はありません。弊社における本件の業務は設計契約のみです。施主の代理署名を行うような権限または業務委託は受けておりません。それにより弊社がサインした署名は法的に無効であり、弊社が御社の代理責任をとることも法的にはありません。

ーー
2)
貴殿はxxx氏に対して、当社を代理してレセプションに署名するよう指示したのでしょうか。そうであれば、どういう理由でxxx氏にさせたのでしょうか。


(田根回答)xxxに御社の代理でレセプションに署名を行うことは私は指示しておりません。
2020年1月16日の当時、デルボッカの連絡によりxxxが現場に立ち会い設計側の完了検査を行うことは私は同意致しました。
しかしながら、その現場で当日デルボッカの施工現場担当者だったSebastianからxxxがレセプションに署名を求められ、またその署名は「事務手続の書類」としか説明を受けておりません。またxxxは弊社への署名だけでなく、施主の欄にも署名を求められ「なぜ、施主欄にまで署名すべきか」とSebastianに問いかけたところ、「事務手続きの書類をパリから日本に送り、日本からパリに送るには時間が掛かり、御施主様の来仏までに引き渡しができなくなる」との説明を受け、「事務手続の書類」という認識のままxxxが署名を行った、と報告を受けています。

ーー
3)
レセプションは、一体として添付されたリザーブを除き、それをもって施主である当社が工事の欠陥を爾後主張できなくなるという点で、極めて重大な効果を伴う書面と理解しております。それにもかかわらず、署名の前後を問わず、レセプション(リザーブを含みます)の写しを当社に共有すらしなかったという理解で正しいでしょうか。その事情について追加説明することがあれば、ご教示ください。

(田根回答)私としてはレセプションは法的に重要な意味を持つ書類であることは認識しております。通常、レセプションは施主・設計者・施工者の各代表が署名する正式な書類です。レセプションの書類が存在していたこと、また弊社が施主である御社の代理でレセプションに署名を行ったことを、私が知ったのは弊社と御社のWeb会議の際に、御社・xxx様よりデルボッカが送ってきたレセプションが画面に映し出された際に知りました。

またレセプションの写しを御社に共有しなかった件については、レセプションに署名したxxxは、本書類を「事務手続の書類」として認識しており、社内のフォルダーに保管してたことによります。その事で弊社から御社へのレセプションへの共有及び報告がなされなかったことは弊社の管理不足によるところであります。

ーー
4)

1/16にサインした書面の内容について説明を求めたところ、Delbocaからレセプションの書面が共有されるまで、この内容がレセプションであるとさえも説明されず、この行為の法的な位置づけや有効性についても、事実と異なる説明が行われてきました。なぜ、そのような説明がされたのか、時系列に沿って経緯をご説明ください。

(田根回答)理由としては質問(4)にもあるように、私としては弊社が御社を代理してレセプションに署名を行った事実を知らなかったことに起因します。

以下、時系列にて経緯を御説明致します。

5月12日 Web会議
私から御施主様に対して、設計検査の手順から工事完了、引き渡しまでの流れを御説明。またその間におけるリザーブリストについての御説明を差し上げた。しかしながら、その際には私は弊社が御社を代理してレセプションに署名を行ったことの認識がなかった。

5月28日 Web会議
本会議にて御社と弊社、xxx弁護士も交えてレセプションとリザーブについての説明を求められる。この会議でレセプションに代理署名を行ったことにより、御社に「工事金額の支払い義務」が法的により発生することを弊社側が理解する。

ーー
(プライバシーに関わる部分や訴訟にかかわる部分は修正したり、見やすく部分省略しています。)

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