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久喜市社協の災害ボランティアセンター立上げ訓練に参加しました
こんにちは、サイボウズソーシャルデザインラボ災害支援チームのsayakaです。先日、埼玉県久喜市社会福祉協議会様主催の「災害ボランティアセンター立上げ訓練」に、サイボウズ災害支援チームとして参加しました。
災害時には、多くのボランティアが被災地へ支援に駆けつけますが、そうしたボランティアの方々を受け入れる「災害ボランティアセンター」が被災地の市区町村社会福祉協議会に設置されるケースが一般化しています。
(内閣府ホームページより)
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今回の訓練は、kintoneを活用した初めての試みということでした。当日は「当日ボランティア受付」と「ニーズ管理」の2つのアプリを使っていただくことになり、災害支援チームリーダーの柴田が事前にkintoneの構築を行いました。
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kintone x Webフォームで受付をスムーズに
QRコードを使った当日ボランティア受付を行いました。これはボランティアさんはもちろん、久喜市社協さんにとっても初めての取り組みです。
従来の受付用紙への記入に加えて、スマートフォンでQRコードを読み取り、必要事項を入力するだけで受付が完了するため、 スムーズなボランティア受け入れが実現できました。
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年齢層の高い方でも戸惑うことなく利用できたようで、私たちが実施したユーザビリティテストの知見が活かされたと感じています。
初めてのkintoneでも大丈夫。分かりやすいデザインと機能
kintoneの 「災害支援アプリパック」 は、初めて使う方でも直感的に操作できるよう、シンプルなデザインと分かりやすいUI/UXを心がけて開発されています。
QRコードで読み取り・入力された情報がkintoneの「当日受付」アプリに蓄積されていく訳ですが、実際に、今回初めてkintoneに触れたという社協職員の方からも、 「操作が簡単で驚いた」 と嬉しい声をいただきました。
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必要時に柔軟に対応
「ニーズ管理アプリ」は、被災者情報やニーズ内容、活動報告などを一元管理できるアプリです。ボランティア活動の進捗状況をリアルタイムに把握できるため、 円滑なボランティア活動の運営に役立ちます 。訓練の中で、 ニーズ管理アプリ」についての質問もいただきました。
ニーズ管理アプリでは、<被災者情報>としてニーズを必要とする方の氏名や住所、ニーズ内容などを入力します。現場写真も添付できるシンプルな設計になっています。
このアプリについて、ボランティア受付で活動者情報をkintoneに入力しているのなら、ニーズ管理アプリに活動者を紐づけて「誰がどの活動をしたか」を分かるようにできるのか、という質問がありました。
もちろん、kintoneではそれが可能です。しかし、ニーズ管理アプリで最も重要な情報は「被災者ニーズの進捗状況」です。活動者とニーズ管理アプリを紐づけることは、現場職員の負担を増やすことにつながり本末転倒になってしまうので、現状では実施していません。
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ただし、極端な例ですが、ボランティアに対して毎回のようにクレームが発生する場合などは、活動者とニーズ管理アプリを紐づけて記録しておく必要があるかもしれません。重要なのは、必要になった時に必要な項目を追加できる柔軟性です。「なるほど!1つのアプリに1つの課題を解決することに集中するのですね」と、kintoneの考え方に共感していただけたようです。
大切なのは「使い分け」
訓練の中で「事前受付アプリで事前にボランティアとニーズのマッチングをしておいた方が良いのでは?」 という話も出ました。
これに対して、柴田は 「事前マッチングだと、当日にそのボランティアがいるかどうかの確認や、いない場合はマッチングの再考が必要となる。必ずしもkintoneですべてを完結させる必要はなく、従来の方法(当日のオリエンテーションでのマッチング)と使い分けることが重要」 と回答しました。
kintoneを導入することで、これまで手作業で行っていた業務を効率化できる一方、従来の方法の方が適している場合もあります。社協さんも「従来のやり方の良いところも活かせるんですね!」と、安心した表情を浮かべていました。
災害時のIT活用最前線のデモを行いました
今回は、市長はじめ行政や県社協の職員さんも訓練に参加されました。
災害時のIT活用のデモを柴田が行いました。
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kintoneで災害ボランティアセンターの運営をスムーズに
訓練は大変スムーズに進み、予定通りに無事終了しました。社協の皆様からは積極的に質問をいただき、kintoneへの理解の速さに驚かされました。
「実際に見て、触ってみるのが一番ですね!」というお言葉をいただき、体験を通してkintoneの有効性を実感いただけたようです。
また、参加者側のボランティアの青年団の方で、普段の業務でkintoneを使っているという方もいらっしゃいました。誰もが普通に使うツールとして、kintoneが浸透してきていると感じました。
今回の訓練参加を通して、災害ボランティアセンターの立ち上げにkintoneが大きく貢献できると改めて思いました。災害が起こる前にkintoneの導入を始めていれば、ボランティアの受付から活動内容の割り振り、情報共有までをスムーズに行い、一人でも多くの被災者の方に必要な支援を、必要なタイミングで届けることができるはずです。
サイボウズ災害支援チームでは、今後も災害支援ライセンスの半年間無償提供やオンライン勉強会等を通じて、 全国の災害ボランティアセンターにおける災害支援活動の効率化を支援してまいります。
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