許さないけど、幸せになれ
私の大切なおばーちゃんの家に
空き巣に入ったあなたへ。
あなたが窓を割って入ったその家はね、
おばーちゃんの大切な空間だった。
結婚当初はね、
昔ながらの家で、
義両親、義姉と同居してたんだって。
子供3人を育てながら炊事、
畑のお仕事は大変だったけれど
お金を増やすため
家族で力を合わせ、
一生懸命に働いたと言ってたよ。
子供達が巣立つとね、
家を建て替えた。
やっと暮らしに余裕ができたんだよね。
あなたが勝手に入った家は
おばーちゃんの夢が詰まった
素敵な空間。
吹き抜け天井には
くるくる回るシーリングファン
リビングの壁には大きな鏡
おしゃれ大好きおばーちゃんが
コーディネートをいつでも楽しめる場所
「今風の家にした♪」
嬉しそうに話していたんだよ。
大好きな空間だから、
亡くなるまで
すごくきれいにしていた。
割った窓、ピカピカだったでしょ?
おばーちゃんはね、
家族を大切にしてくれる人だった。
遊びに行くよと言うと
外まで出迎えてくれた。
好物やご馳走が並んだテーブルは
愛情でいっぱい。
朝早くから作ってくれた
色とりどりの押し寿司が忘れられない。
それからいつでも体調を気づかってくれた。
自分の体が辛い時も、
本当にいつもね。
大きなボールや小さなボール、
だるま落とし、
オセロがあったでしょ?
私が小さい頃はもちろん、
私の子供達が遊びに行くと、
思いっきり遊んでくれた思い出が詰まってる。
だから適当に扱わないで。
おばーちゃんのこと
もっと教えてあげる。
近くで事故がおきるとね、
ほうきとちり取りを持って駆けつけ、
片づけを手伝った。
暑くて倒れた人には
自分の水をあげた。
みんなが使うお寺のタオルを洗い、
ゴミを拾って歩いた。
庭の木には鳥が休めるよう、
小さな家を取り付けてた。
ご先祖様を大切にし、
お仏壇はいつでも輝いてた。
人を想う、
優しい人だった。
そんなおばーちゃんを
私達家族は
大切に想い、
尊敬し、
誇りに思う。
私はおばーちゃんが大好きだ。
あなたにも大好きな人はいるの?
大好きな人が大切にしていた物を、
ぐちゃぐちゃにしたあなたが憎い。
引き出しをすべて出し
テレビを投げて割り
部屋中をかき乱して
欲しい物を勝手にとっていった
あなたを許さない。
おばーちゃんはもういないけれど、
私があなたを許さない。
でも
おばーちゃんは、
人を想い
優しくて強い人だった。
そんなおばーちゃんの物をとっていったんだ。
覚悟しろ
絶対に幸せになれ。
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