ちょっと!お父さん!!③
ハッピー脳みそ🧠
40を過ぎて、自分の今まで辿ってきた道を振り返ってみる機会があった。
心理学?的なものに触れた瞬間だった。
私も父には負けるが、かなりポジティブな人間だと自負している。
だけど、何故かたまに無性に寂しくなったり、自分の事を嫌いになってしまう時がある。
他人は悪くない。私が悪いのかも。という思考の癖がある。
その癖は母から受け継いでいる。
母は耐える人だ。どんな状況でも耐えてきた。そして時に自分を責める。
そういう部分では父とは真逆な人だ。
子供はやはり、母親の影響を強く受けるものなのかもしれない。
父が破天荒すぎて、父への憧れを持つ事が無かったが、
このコロナ禍、にっちもさっちも行かない世の中で、強く憧れを抱いたのは、、、
父のハッピー脳みそ🧠だった。
どんな困難な状況でも、諦めない(しつこい)し、とにかくツッコミどころ満載だけど、いろんな思考をすっ飛ばして結論はハッピーを、導き出すのだ。
周りからすると、その宇宙的な思考回路が全く理解できなかったが 父が鬱病になることも無かったし、引きこもる事も無かった。
子供の頃、父がよく母にお金の催促をして駄々をこねる姿をみていた。
定職に就くのを嫌っていた父が家にお金を入れるのは微々たるものだった
母が工場で働いてきた微々たる生活費を、せがむのだ。
お金を手に入れる事に必死になっている思考の先には、「倍にして返したる!俺を信じろ!」
という根拠のない自信があった
返って来ないのは経験と実績からわかっているので、母は必死になって守ろうとした。
が、諦めない。1万円がダメなら5千円。それがダメなら2千円。
とにかく、執念で奪うのだ。
それを責めたとてノーダメージ。
「この甲斐性なし!、人でなし!!」
母や姉がちょっと毒を吐いたとしても、
「お前 酷いこと言うのう!!」とは言うものの常套句は
大丈夫や!倍にして返したる!
詐欺もいいとこだ。
姉も、お正月に親戚中を回った帰りに寄るところがあると、競輪場に連れて行かれお年玉を搾取され、、、
すっからかんになった後、他人事のように
惜しかったのぉ!
で終わらせられたそうだ
その時の競輪場で食べたモツ鍋の味は40年経った今でも忘れられないと言っていた。
恐るべしハッピー脳みそ🧠。
がしかし、ここまでの思考をもし手に入れられたら無敵なのなもしれない。
父は借金大魔王で家族は苦労したが、父が警察に逮捕される事も、父を殺しにくる人間もいなかった。
最後まで幸せに生き抜いたのだ。
父が借金の回収にきた人を追い返した現場に遭遇した。
「あんたも遠くから来て手ぶらで帰るわけにも行かんやろうから。」
と千円握らせていた。
「帰りに茶でも飲んでくれ。」
そして、その人が帰った後忘れられない一言を私に言った。
「〇〇(私)。金はな、、、、
借りる方が悪いんじゃない、借す方が悪いんや。」
仰天である。
私は高校生くらいだったと思うが、即座に突っ込んだ。
「それ、借した人が言うとカッコイイけど、借りた人が言ったらあかんやつやで!!絶対!!」
すると父は、
「そうか!!」と言って笑っていた。
この話を読んだ方はどう思っただろう。
でも、父は幸せに生きていた。誰に後ろから刺される事もなく、、、
不思議でしょうがない、、、。
姉が一度、お父さんって死にたくなった事ある?と聞いた事があって、父はあると答えたらしい。
「財布に金が一銭も無い時や。」
でも、死ぬ気になったら何でも出来ると思いとどまって
一銭も持たずにパチンコに行ったらしい。