40代になった私に贈る言葉 17 出産
女、40歳、値下げシールを思うに、それはもちろん、子供が産めなくなるとこがあると思う。贈る言葉 4でも書いた通り、40代になって「値下げ感」を感じてしまうのは卑屈でも自尊心低下でもなく、生き物として授かった機能を失うからじゃないかなっと思っている。男性にとって40代がそれほどでもない(きっと)のはまだ生殖機能が維持されているから。基本、女は年齢と見た目で多くの価値が品定めされている。その2枚のカードの内、1枚を失うのだ。
生き物の機能を失うことはつらい。
歩けるようになった日、初めて歯が生えた日の喜びの真逆だ。
昔は寿命が短かったから良かったのかもしれない。今はここからあと40年も生きなくてはいけない。
ここからは減るばかり。髪も歯も足腰も。体重も体型も体力も。気を抜けば失われていく我が機能の低下を残された40年、いかに踏み止められるか。
髪があること、歯があること、歩けること。
機能的にはウィッグや入れ歯、車椅子に代わることはできるかもしれない。「代わりがあるや」と思っていても、きっと簡単じゃない。それを受け入れる日はさぞかし辛い。
皆に等しく訪れる終わりを、どう生きるか。人も順番に旅立って行く。
だから、40代から考えろと子宮は言っている。
まず1枚目のカード、女性皆平等にほぼ同時期に等しく訪れる喪失は、見た目にも見えない、努力とかでもどうにもならない、あきらめのつく、優しい喪失なのかもしれない。
残された最後のカード、これには見た目も、髪も、歯も、足腰も含まれる。人も含まれるかもしれない。努力や意識に大いに左右され、ここをいかに維持し、なくなった場合をポジティブに生きるか。これは結構きつい。1枚目の喪失を思い出し、努力せよと体は言っている。
人間、失わないと気づけないものがある。
なくしちゃいけないものも 今ならもうわかるよ